配当傾向
過去10年で1番人気が[0.1.2.7]と連敗中。タイムパラドックス、ヴァーミリアン、ゴルトブリッツ、ワンダーアキュートといったG1級ですらコロコロと敗れており、2013年もホッコータルマエが3着に終わっている。2着に入ったのがトランセンドだけという現状では、1番人気の信頼度はナシに等しい。配当的にも荒れ気味で、2008年には単勝万馬券のヤマトマリオンが1着、馬連16万馬券、3連単500万馬券が飛び出している。10年間で3連複払戻しが1万円未満に収まったのは3回だけ、3連単は過去9年で万馬券4回、10万馬券以上が4回、そして前述の500万馬券が1回と、堅い決着になったためしがない。[4.0.1.5]の2番人気、あるいは[1.4.0.5]の3番人気あたりを馬券の軸とし、手広く構えて高配当を狙いに行くべきレースといえるだろう。
前走傾向
2009年までは5月・中京で距離は2300m、2010年〜2012年は中京競馬場の工事のため京都1900mでの施行、そして昨年からはこの時期の中京1800mと変更されており、前走傾向にはアテにならない部分も大きいだろう。それでも一応まとめると、前走が地方(主に交流重賞)だった馬は[0.2.3.28]と10年間未勝利。ヴァーミリアンやワンダーアキュートらがこのパターンで1番人気を裏切っている。中心は[10.7.6.77]で勝率10.0%となる「前走が中央の重賞・オープン特別」という馬。さらに前走がダート1800mという馬が[8.5.5.49]と主力を務め、また前走が重賞・オープン3着以内だと[5.2.4.21]と信頼性は増す。ただ、前走4コーナーを1〜2番手で回ってきた馬は[0.3.3.19]と未勝利で、ダート戦にしては珍しく先行馬の信頼度は高くなさそうだ。
血統傾向
サンデーサイレンス系種牡馬の産駒は[2.1.2.29]で、勝率は5.9%と高くはない。いっぽう、それ以外のヘイルトゥリーズン系種牡馬の産駒は[2.2.3.17]で、こちらは勝率8.3%で「ややマシ」といえる程度だ。
ただし2〜3番人気だけに限ると、ヘイルトゥリーズン系トータルで[3.2.0.5]と好走可能性はグっと高まる。前述の通り、信頼度の低い1番人気は思い切って軽視し、その代わりとして「2〜3番人気のヘイルトゥリーズン系」を軸に据えるのもひとつの手かも知れない。
種牡馬別に見ると、ブライアンズタイム、マヤノトップガン、ステイゴールド、そして2013年はマンハッタンカフェの産駒が勝利。いずれも菊花賞や天皇賞(春)あたりで狙いたくなるスタミナ型の種牡馬といえる。
馬券に絡んでくる回数が多いのはミスタープロスペクター系種牡馬の産駒で、10年間の成績は[3.4.5.36]。勝率6.3%、複勝率25.0%は抜群に高いというわけではないもの、無視できない系統ではある。
勝ち馬を出したのは、アフリート(ダートのマイルG1勝ち馬/桜花賞馬プリモディーネやJBCスプリント勝ち馬バンブーエールなどの父)、キンググローリアス(ダートのマイルG1勝ち馬/NHK杯やシンザン記念などを勝ったナムラコクオーの父)、キングカメハメハ(NHKマイルC勝ち馬/アパパネなどの父)。イメージとしては芝・ダート兼用のマイラーたちだ。
また、勝ち馬3頭のうち2頭(サカラートとソリタリーキング)は母父がサンデーサイレンス。父ミスタープロスペクター系×母父サンデーサイレンスという配合には注意しておきたい。
ノーザンダンサー系種牡馬の産駒は[2.2.0.32]、勝率5.6%、複勝率11.1%と、この系統もそれほど目立たない。ただし、1番人気が3敗している半面、ヤマトマリオンが13番人気1着、ラッキーブレイクが16番人気2着と穴馬激走の可能性を秘めている。
連対馬の父を見ると、ヤマトマリオンの父はキングジョージなどの勝ち馬オペラハウス、ラッキーブレイクの父は米ブリーダーズCマイル2着のあるジェリ、ワンダーアキュートの父はケンタッキーダービーとプリークネスSの二冠馬カリズマティック、ニホンピロアワーズの父は凱旋門賞2着のホワイトマズルと、欧米のG1で勝ち負けしてきたタイプばかりとなっている。
以上の血統以外では、ナスルーラ〜レッドゴッド系クリスタルグリツターズの産駒ハードクリスタルが1着、ニアークティック系ワイルドラッシュの産駒トランセンドが2着と、連対は2頭だけ。クリスタルグリッターズは芝の中距離馬だったが、種牡馬としては菊花賞馬マチカネフクキタル、帝王賞などを勝ったアブクマポーロなどの父として知られ、スタミナとパワーに長けた種牡馬といえる。いっぽうワイルドラッシュはダート中距離が現役時代の主戦場だった。
総合すれば、どんな血統でも走れるレース。ただしその中でも、ヘイルトゥリーズン系ならステイヤータイプ、ノーザンダンサー系なら欧米のG1で勝ち負けできる底力を持つ種牡馬、それ以外の系統なら芝でもダートでも走れる万能性などがキーとなるだろう。