東京新聞杯(G3)を制し、破竹の4連勝で重賞初制覇。直線大外から豪快に差し切り、本格化をアピールした。その後は休養を挟んでリフレッシュし、1週前に美浦Wで好時計をマーク。仕上がりは万全で、東京1600M(3戦3勝)への適性も高い。勢いのままライバルたちを一蹴し、堂々と新マイル王の座に輝く。

昨年のマイルCS(G1)で女傑グランアレグリアと僅差の2着。初の海外遠征となった前走・ドバイターフ(国際G1)は状態が上がらず8着に終わったが、国内では(4.2.1.0)と複勝圏を外していない。東京はNHKマイルC(G1)や毎日王冠(G2)を快勝しており、得意のコース。3着に惜敗した昨年の雪辱を果たし、2つ目のG1タイトルを獲得したい。

前走・ヴィクトリアマイル(G1)は直線で躓く場面があったものの、立て直して2着を確保。ここまで9戦して(3.4.1.1)と堅実な成績で、距離が長かったオークス(G1)以外は崩れていない。前走から中2週と詰まったローテだが、引き続き好調をキープ。名手・武豊騎手のエスコートで初戴冠を狙う。

東京の5週連続G1開催もラスト。春の最強マイラー決定戦にG1馬6頭を含むスピード自慢18頭が東西から集結して激戦を繰り広げる。

一方、競馬は「ダービーからダービーへ」が1年のサイクル。今週から東京、中京で2023年のダービーを目指し2歳の若駒が一斉にデビューする。

安田記念の過去10年のデータをひも解きながらレース傾向を探ってみたい。

連対馬は2−13、1−3、1−16、1−3、8−1、7−8、9−5、4−3、3−1、8−1番人気の組み合わせで決まった。1番人気は6連対で、3番人気も4連対と悲観する成績ではないが、なぜか2番人気が1連対と絶不調。代わりに人気薄の7番人気以下から7頭が連に食い込んでいる。

馬連配当は
3 け た......1回
1000円台...2回
2000円台...1回
3000円台...1回
5000円台...1回
7000円台...1回
8000円台...1回
万 馬 券......2回

3けた〜万馬券(1万円台2回)まで小刻みな配当で狙いを絞れないが、半数の5回が5000円以上の高配当。波乱を視野に入れた馬券検討が必要となっている。

また、3着に15、12、10、12、6、3、1、1、2、4番人気が入線した3連単配当は46万、6万、37万、12万、15万、28万、6万、4万、1万、11万円台。こちらも10回中6回で6けた配当が飛び出す難解レースとなっている。

連対馬の前走成績は【6.5.1.3.1.4】(左から1〜5着、着外)。20頭中16頭が5着以内に好走して、着外から巻き返したのはわずか4頭だけ。掲示板を外した馬には厳しい戦いが待っている。ちなみに着外馬4頭は7、9、9、12着からの臨戦だった。

路線別はヴィクトリアマイル組と京王杯スプリングC組が4連対で並び、2連対で高松宮記念組とダービー卿チャレンジT組が続いている。ただ、3着に注目するとマイラーズC組から5頭が入線。連対馬は1頭でも馬券圏で見ると6頭となり、この組が一気に最有力ステップに浮上する。

年齢別は
3歳 【0.0.1.2】
4歳 【4.2.2.25】
5歳 【3.5.3.41】
6歳 【3.2.3.37】
7歳上【0.1.1.25】

連対率は0、18、15、11、4%。5歳馬が8連対と世代をリードしているが、率では4歳馬が1位。6歳馬も上位2世代と差はなく、激戦となっている。なお、3歳馬は出走頭数自体が少なく基準外としたい。

所属別は
関東馬【5.6.3.42】
関西馬【5.4.7.79】
外国馬【0.0.0.9】

連対率は20、9、0%。優勝数は関東馬、関西馬とも5回となっているが、出走頭数の少ない関東馬が連対率で優勢となっている。

性別は牡馬が143頭出走して15連対(連対率10%)、牝馬は17頭で5連対(同29%)。牝馬は率で牡馬を大きく上回り、現在4年連続連対と大健闘。今年参戦の4頭には追い風となるデータだ。

枠番別成績は
1枠 【0.2.1.14】
2枠 【1.2.0.14】
3枠 【2.0.1.16】
4枠 【0.2.2.15】
5枠 【4.0.0.16】
6枠 【0.2.2.16】
7枠 【3.1.2.17】
8枠 【0.1.2.22】

さらに内枠と外枠に大別すると、内の1〜4枠は【3.6.4.59】(勝率4%、連対率13%)、外の5〜8枠が【7.4.6.71】(同8%、同13%)。優勝数で外枠が有利となっているが、連対率は互角。単勝や1着固定の馬単、3連単馬券では外枠が狙い目となっている。(たま)


◎......セリフォスは前走NHKマイルCで0秒3差の4着。4カ月半の休み明けで最後苦しくなったが、見せ場は十分だった。ハイレベルだった昨年の朝日杯フューチュリティSで2着。後に1、3、5着馬がG1を制した。年長の牡馬より4キロ軽い54キロで出走できるのは魅力。人気薄の3歳馬が一発を決める。

○......ファインルージュは昨年の牝馬3冠で3、11、2着。オークスは距離が合わず敗退したが、ほかの2戦は0秒1差とV争いに絡んだ。4歳を迎えて東京の芝1600M戦で連続2着。勝ち運に恵まれないが、いつ戴冠を果たしてもいい位置にいる。引き続き東京なら勝ち負けが期待できる。

▲......カフェファラオは前走フェブラリーSを2馬身半差で完勝。好位から抜け出す正攻法の競馬で連覇を果たした。東京1600M(ダート)は4戦4勝。初芝の函館記念(9着)はトップハンデ58.5キロ、不向きの小回りで道中馬群にもまれるなど悪条件が重なった。東京マイルなら砂&芝の2冠も十分にある。

△1......レシステンシアはダイワメジャー産駒で切れる脚はないが、長くしぶとく脚を使って踏ん張るタイプ。東京は3歳時にNHKマイルC2着の実績。前走ヴィクトリアマイルも好スタートから2番手に控え、直線でソダシとたたき合って3着に頑張った。直線の長いコースも合う。

△2......ソウルラッシュは1勝クラスから破竹の4連勝でマイラーズCを制覇。初の重賞挑戦で出遅れ、いつもと違う後方からの競馬となったが、直線大外に出してまとめて差し切った。東京は新緑賞4着以来の久々だが、一気にG1の壁を突破して新星誕生なるか。

△3......シュネルマイスターは前走ドバイターフで0秒8差の8着。休み明けと初の海外遠征で力を出し切れなかった。昨年G1のマイル3戦で1、3、2着。全て馬券に絡み、敗れたレースは0秒1差。遠征の疲れが出なければV争いに食い込める。