1番人気に推された前走の天皇賞・秋(G1)は0秒1差及ばず2着。スタートで出脚がつかず位置取りが悪くなったのが響いたが、女傑グランアレグリア(3着)には先着して3冠馬の意地は見せた。今回のメンバーでは断然の実績を誇り、舞台も日本ダービー(G1)を圧勝した東京2400Mに戻る。このジャパンCで引退が決まっており、究極の仕上げで挑むラストラン。堂々と復権を果たし、有終の美を飾る。

春の日本ダービーで皐月賞馬のエフフォーリアを破り、見事に戴冠。接戦を勝ち切る勝負強さが光り、ダービーレコードを叩き出したように高速決着にも対応できる。ダービーで負かしたエフフォーリアが、天皇賞・秋でコントレイルに快勝するなど、今年の3歳世代はハイレベル。前走・神戸新聞杯(G2)は道悪に泣いたが、良馬場なら本来の末脚を発揮できる。

前走・アルゼンチン共和国杯(G2)を快勝し、昨年に続く連覇を達成。骨折明けでトップハンデという厳しい条件をものともせず、好位から豪快に突き抜けた。まだG1での実績はないが、東京コースは【3.1.0.0】(G2・3勝)と得意で、名手ルメール騎手の継続騎乗も心強い。得意舞台ならG1でも通用する。

今週は「第41回ジャパンC」。ジャパンCは1981年に日本初の国際レースとして創設された。一昨年は史上初めて外国馬不在となったが、今年は海外からG1馬3頭が参戦して花を添える。迎える日本勢も4世代のダービー馬が一堂に会す豪華メンバー。中でも昨年の無敗3冠馬で、この一戦で引退が決まっているコントレイルに世界から注目が集まる。過去10年のデータで傾向を探ってみた。

連対馬は2−6、3−1、1−7、4−3、4−7、1−5、5−2、1−4、3−5、1−2番人気の組み合わせで決まった。上位1〜3番人気は5、3、3連対とまずまずの成績で、4、5番人気もそれぞれ3、3と健闘。伏兵馬の連対は6、7番人気の1、2連対となっている。

馬連配当は
3 け た......3回
1000円台...1回
2000円台...4回
4000円台...1回
万 馬 券......1回

2015年に4、7番人気のワンツーで1万160円の高配当が出たが、ほかは5000円未満。ほぼ平穏に収まっている。

一方、3着に14、2、11、6、1、6、1、2、2、3番人気が入線した3連単配当は、32万円台、5550円、22万円台、9万円台、5万円台、3万円台、1万円台、2690円、1万円台、1340円。こちらは22万馬券や32万馬券が飛び出す波乱含みとなっている。

連対20頭はすべて重賞(海外を組む)からの臨戦で、内訳はG1組16頭、G2組4頭。最高ランクのG1組が強く、3着を見てみても9頭が該当する。G3組以下に連対例はなく、G2組も手放しでは飛びつけない傾向を見せている。ちなみに、ここ3年は1〜3着をG1組が独占している。

ステップは9連対で天皇賞(秋)組がトップ。次いで、3連対で秋華賞組と京都大賞典組が続き、凱旋門賞組2連対の順。

年齢別は3〜7歳以上馬が22、50、46、25、21頭が出走して6、6、8、0、0連対。連対はそれぞれ27、12、17、0、0%。6連対で3歳馬と4歳馬が世代争いを繰り広げているが、3歳馬は17年のレイデオロ以降4年連続で連対中。一方、4歳馬は13〜16年に4連勝の活躍を見せたものの、ここ4年は2着1回と以前ほどの勢いはない。なお、6歳馬以上に連対例はなく、前走で復活Vを果した8歳馬マカヒキや7歳の古豪キセキにとっては気になるデータとなっている。

性別は牡馬【4.8.9.119】(連対率9%)、牝馬【6.2.1.15】(同33%)。牝馬は出走頭数が少ないが、率で牡馬を大きく上回っている。フランスから来日のグランドグローリー、今年のオークス馬ユーバーレーベンなどには追い風となっている。

所属別は
関東馬【2.2.2.32】
(連対率11%)
関西馬【8.8.8.72】
(同17%)
地方馬【0.0.0.1】
(連対率0%)
外国馬【0.0.0.29】
(同0%)

今年はアイルランド(2頭)とフランス(1頭)から外国馬3頭が参戦しているが、近年で日本の高速馬場に対応できた馬はごくわずか。現在、日本馬が15連勝中。外国馬の優勝馬は05年のアルカセットまでさかのぼる。今年はジャパンCで武豊騎手がジャパンに騎乗するなど話題満載だが、馬券的には静観するのが正解か。

多頭数戦で枠順も気になるところ。枠別成績は、
1枠【4.3.2.8】
2枠【2.0.2.15】
3枠【1.1.2.16】
4枠【1.1.0.18】
5枠【0.2.0.18】
6枠【0.1.0.19】
7枠【1.0.3.18】
8枠【1.2.1.22】

馬券対象の1〜3着馬30頭にスポットを当てると、内の1〜4枠が8勝、2着5回、3着6回。外の5〜8枠が2勝、2着5回、3着4回。勝率、3着回数で内枠がリードしている。(たま)


◎......ユーバーレーベンは5月にオークスを勝利してG1初制覇。秋華賞は休み明け、不向きな内回りで力を出し切れなかった。牝馬は3年連続連対中で、うち2頭が3歳馬。軽量53キロのアドバンテージは大きく、コース適性も証明済み。大舞台で頂点に立つ。

〇......シャフリヤールは菊花賞を見送り、ここに狙いを絞っての参戦。秋初戦の神戸新聞杯は不良馬場で全く持ち味を生かせなかった。休み明けをたたいて2戦目の上昇が見込め、まだキャリア5戦で伸びシロも十分。ダービーで見せたあの驚異的な末脚を見直す手だ。

▲......コントレイルは無敗の7連勝で3冠を制覇。早い段階で頭角を現した。その後G1で2、3、2着と勝利がないのは気になるが、7カ月ぶりの前走・天皇賞(秋)では出遅れをカバーし、メンバー最速の末脚で1馬身差に迫った。有終の美を飾る態勢は整っている。

△1......オーソリティは休み明け、トップハンデ57.5キロでアルゼンチン共和国杯を連覇した。G1では5、14、10着と苦戦しているが、3歳時にもこの舞台で青葉賞を快勝と府中の長距離戦を得意にしている。鞍上もG1キラーのルメール騎手なら大駆けも十分ある。

△2......アリストテレスは昨年の菊花賞(2着)でコントレイルを徹底マーク。最後の最後まで苦しめた。今年はG2勝利で好スタートを切ったものの、春は不振。前走・京都大賞典2着でようやく復活の兆しを見せた。能力は世代トップ級。ノーマークにはできない。

△3......穴ならモズベッロ。前走は13着に敗れたが、最多連対馬を輩出している天皇賞(秋)からの参戦。実績では一歩譲るが、昨年の宝塚記念が12番人気3着、今年の大阪杯が6番人気2着。G1でいい仕事をしている。勝ち負けは厳しくても複勝圏なら狙える。