昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)をレコードで制し、非凡なスピードをアピール。休み明けの前走・ファルコンS(G3)はアタマ差の2着に終わったものの、勝ち馬より1キロ重い斤量を考慮すれば上々の前哨戦だった。ひと叩きされ、デキは良化。きっちりと巻き返し、2つ目のG1タイトルを奪取する。

前走・ニュージーランドT(G2)は好スタートからハナを切り、マイペースの逃げ。直線坂下から一気に後続を突き放し、終わってみれば5馬身差の圧勝だった。まさに本格化した印象で、逃げたレースは3戦3勝と負け知らず。内枠(2枠4番)からスムーズに先行できれば、簡単に止まることはないだろう。

新馬→ひいらぎ賞(1勝クラス)とデビュー2連勝。前走・弥生賞ディープインパクト記念(G2)は初の2000Mで2着と初黒星を喫したものの、タイトルホルダー(皐月賞2着)と0秒2差なら高評価できる。欧州G1を4勝した世界的マイラー・キングマンの産駒。距離短縮は好材料だ。

今週から東京競馬は5週連続でG1が行われる。トップバッターは9日の3歳マイル王決定戦「NHKマイルC」。翌週に古馬牝馬による「ヴィクトリアマイル」(16日)が組まれ、3歳牝馬のクラシック2冠目「オークス」(23日)と続く。そして、すべてのホースマンが夢見る頂点レース「日本ダービー」(30日)が15時40分にゲートイン。古馬のマイル王者を決める「安田記念」(6月6日)で春のG1シリーズは幕を閉じる。昨年同様にテレビを通しての応援となるが、府中の杜での熱い戦いから目が離せない。

過去10年、連対馬は1−2、1−3、10−6、1−17、3−4、1−2、2−13、6−2、2−14、9−1番人気の組み合わせで決まった。上位1〜3番人気は5、5、2連対とまずまずの成績を残しているものの、6〜17番人気から7頭の伏兵馬が連対している。

馬連配当は
3 け た......1回
1000円台...2回
2000円台...1回
3000円台...1回
4000円台...1回
万 馬 券......4回

上位人気馬が連からそろって消えたのは1度だが、10回中4回で万馬券が飛び出す大荒れ。一方で6回は5000円未満で決着と、堅いか、荒れるかの見極めが必要となっている。

また、3着に4、15、8、12、2、12、6、9、7、6番人気が入線した3連単配当は、7920円、26万円台、123万円台、68万円台、3万円台、3万円台、29万円台、12万円台、41万円台、15万円台。こちらも13年の123万馬券を筆頭に10万を超す万馬券が7回も出る波乱の決着。穴党には楽しみなG1となっている。

連対馬20頭のクラス別は、G1組6頭、G2組5頭、G3組7頭、オープン特別組2頭。重賞以外からの臨戦馬は苦戦している。

ステップ(着順)はニュージーランドT(3、1、7、2着)組が4連対。次いで、皐月賞(5、8、4着)組、桜花賞(4、5、2着)組、毎日杯(2、2、4着)組が3連対で続き、2連対のファルコンS(1、2着)組の順。上記4路線が有力で、連対馬の75%を占めている。

関東馬73頭と関西馬107頭で争った東西対決は、8対12。連対率は11、11%。関西馬が連対数でリードしているが、率は全くの互角。東西間格差は気するファクターにはならない。

性別は、牡馬が150頭出走して15連対(連対率10%)、牝馬は30頭で5連対(同17%)。連対数で牡馬優勢となっているが、率で牝馬が逆転。3頭出走の牝馬にはホッとするデータだ。

例年フルゲート18頭で争われている。多頭数戦で内外の枠順も気になるところ。
1枠【0.1.2.17】
2枠【1.1.0.18】
3枠【1.1.2.16】
4枠【2.0.0.18】
5枠【1.2.1.16】
6枠【2.0.3.15】
7枠【1.1.0.18】
8枠【2.4.2.22】
(1〜3着、着外)

内の1〜4枠が【4.3.4.69】の成績で、外の5〜8枠は【6.7.6.71】。勝利数、連対数、馬券対象率と全てで外枠が内枠を上回っている。


◎......ピクシーナイトは2走前のシンザン記念を1分33秒3で逃げ切って重賞初制覇。勝ち時計も前週の京都金杯と0秒2差と優秀だった。負かしたルークズネスト、バスラットレオンはその後に重賞勝利とメンバーもハイレベルだった。休み明けでひと踏ん張りが利かなかった前走を度外視して狙う手だ。

〇......ソングラインはデビュー戦を飾れなかったが、未勝利、紅梅Sといずれも3馬身差で圧勝。道中きっちりと折り合い、それぞれメンバー2位、1位の上がりで楽々と差し切った。前走・桜花賞(15着)は3角手前で外にはじかれ、不完全燃焼の競馬。決め手は確か。実績のある東京でリベンジを果たす。

▲......新馬、ひいらぎ賞とシュネルマイスターは好センスの競馬で連勝。前走の弥生賞ディープインパクト記念2着で皐月賞の優先出走権を獲得した。ただ、最後に甘くなったことから距離適性を考慮してマイルに参戦した。父キングマンは英愛仏のマイルG1で4勝。距離短縮が吉と出れば、可能性は十分ある。

△1......バスラットレオンは1勝クラス、ニュージーランドTを逃げて、2馬身半、5馬身差で楽勝。中でも前走の走破タイムは前週のダービー卿チャレンジTと0秒5差と速かった。東京コースに替わるが、過去10年で逃げ馬は3勝、2、3着各1回と好走。好スタートからそのまま押し切っても驚けない。

△2......2走前にグレナディアガーズは朝日杯フューチュリティSを好位から差し切り勝ち。0秒1差の勝利だったが、1分32秒3は2歳コースレコードだった。父フランケルは14戦全勝で、うち12勝を1600M以下で挙げた快速馬。前走は休み明けで2着に敗れたが、今回はたたき2戦目。巻き返しに警戒したい。

△3......ホウオウアマゾンはレコード決着の3走前のデイリー杯2歳Sで2着。続く朝日杯フューチュリティSは持ち時計だけ走れず9着だったが、前走のアーリントンCで重賞初制覇を飾った。ここまで6戦すべてマイルで【3.2.0.1】と好走し、G1挑戦も2度目。ベストの距離なら軽視は禁物だ。