デビュー戦こそ2着に終わったものの、その後マイルで2連勝。前走・デイリー杯2歳Sの走破時計は、昨年の阪神JF(G1)でレシステンシアがマークした2歳コースレコードを0秒3上回った。非凡なスピードを持つディープインパクト産駒で、母方にアンブライドルズソングとストームキャットの血があるのは今年の三冠馬コントレイルと同じ。すでに阪神の急坂もクリアしており、連勝でG1タイトル獲得の公算大とみる。

デビューから休養を挟んで2連勝。阪神マイルのデビュー戦を逃げ切ると、前走・サウジアラビアRC(G3)では豪快に差し切って重賞タイトルを手に入れた。脚質に自在性があり、調教の動きは更に良化。このメンバーでも上位のポテンシャルを秘めていそうだ。

前走・京王杯2歳S(G2)は好スタートから2番手を追走。直線で早めに抜け出すと、後続の追撃を凌ぎきった。レースセンスが良く、デビューから(2.2.0.0)と連対率100%。初のマイル戦に対応できれば、要注意の一頭だろう。

今年も残すところあと2週。先週は大接戦の阪神ジュベナイルFで1番人気のソダシがハナ差先着。白毛馬の優勝に大いに盛り上がった。今週は牡馬中心の2歳王決定戦だが、こちらも素質馬がそろい2021年のクラシックを占う上で見逃せない一戦となっている。ここでは中山で施行された10〜13年の4回と、14年以降に阪神で行われた分を合わせた過去10回のデータで傾向を見てみたい。

連対馬は5−4、1−4、7−1、4−6、1−14、2−1、6−7、1−3、2−9、1−2番人気で決まった。1番人気は6連対と期待に応えているが、2、3番人気が3、1連対と不調。代わりに、人気薄の6番人気以下から6頭が連対している。

馬連配当は
3 け た......3回
1000円台...2回
4000円台...1回
5000円台...1回
7000円台...1回
9000円台...1回
万 馬 券......1回

14年に14番人気が2着に入線して1万4050円と荒れ、18年にも9番人気が絡んで9710円の高配当で決着した。ただ、半数の5回は2000円未満の堅い配当に収まっている。例年多頭数戦だけに伏兵馬の台頭も視野に入れて置きたい。

一方、3連単配当は6万円台、3万円台、5万円台、16万円台、13万円台、3万円台、22万円台、2630円、4万円台、9万円台。こちらは10万円を超す高配当が3回も出ており、波乱含みの傾向を見せている。ちなみに、3着は2、8、3、5、3、11、12、2、1、14番人気だった。

連対馬20頭のクラス別は、重賞組13頭、1勝クラス組6頭、新馬組1頭。重賞組が連対馬の65%を占めているが、1勝クラス組以下にも連に食い込むチャンスは十分にある。

路線別は4連対で京王杯2歳S組がトップ。3連対で東京スポーツ杯2歳S組、デイリー杯2歳S組、サウジアラビアロイヤルC組、ベゴニア賞組が続いている。なお、ここ6年に限ると上記4路線が連対馬の12頭中11頭を占めている。

注目は前走着順で【15.2.0.3】(1〜3着、着外)の成績。17頭までが前走連対馬で、3着も【8.1.1.0】。前哨戦で馬券圏を確保していることが理想となっている。

関東馬は11連対(6勝2着5回)、関西馬が9連対(4勝2着5回)。勝利数で関東馬が関西馬を一歩リードしている。



◎......本命にホウオウアマゾンを推す。前走インを突いたレッドベルオーブに頭差敗れたが、残り200Mからのたたき合いで実にしぶとい勝負強さを発揮した。阪神マイルは3戦と経験豊富で、末脚も一級品。ベストの舞台でG1奪取を決める。

○......相手はステラヴェローチェ。新馬、サウジアラビアロイヤルCと2連勝。やや重、不良馬場で時計は平凡だったが、横山典騎手が「強かった。まだ余裕あった」と前走レース後にべた褒めした逸材。良馬場でも評価を下げる必要はない。

▲......レッドベルオーブは初戦こそ2着に敗れたが、未勝利、デイリー杯2歳Sとレコードで勝利。前走道中で折り合いを欠いたのは気になるものの、何よりもあのスピードは大きな武器になる。激走の疲れが出なければG1奪取も可能だ。

△1......デビューから4戦してモントライゼは【2.2.0.0】とパーフェクト連対。2走前の小倉2歳Sで2着に敗れたが、続く京王杯2歳Sで重賞初制覇を飾った。実績的には上位の存在。初の1600M克服がカギとなる。

△2......新馬3着の後ショックアクションは、未勝利、新潟2歳Sを連勝。前走はそんなにレベルは高くなかったが、馬場の真ん中から突き抜けた末脚は際立っていた。これで2戦連続でレース最速の上がり。はまれば一発が決まる。

△3......ドゥラモンドも新馬、アスター賞と連勝。ともに着差は半馬身差だったが、2戦目の前走は馬群の外を回って余力十分でゴールした。良馬場は初となるが、混戦になればV争いに浮上する。