初の海外遠征となった香港スプリントで3着好走。単勝55倍の低評価を覆し、世界レベルに匹敵する能力を証明した。今回は帰国初戦で3カ月ぶりの競馬だが、抜群の安定感で不安を感じさせない。本格化した一昨年の秋以降、休み明けを含めて13戦中12戦が馬券圏内。昨秋のスプリンターズSも休み明けで半馬身差2着に入った。昨年の高松宮記念はタフな不良馬場で3着と連に絡めなかったが、良馬場の決め手勝負なら、待望の初G1制覇が見えてくる。

今季初戦の阪急杯で2着。取り組んできた控える競馬で結果を残した。好位追走から抜け出し、押し切る寸前でダイワマッジョーレの強襲に遭ったが、斤量58キロを背負っていたことを思えば、負けて強しと言える内容だった。カギは初の1200Mだが、速いペースは気性的にプラスになるはず。未勝利Vから一気の5連勝でG1を制した逸材。その素質を再評価したい。

ハイレベルな香港スプリント界からの刺客。昨年の香港スプリントではスノードラゴンやストレイトガールら日本代表を一蹴。実際レーティングも118と出走中トップを誇る。持ち時計がなく日本の高速馬場への対応がカギだが、最終週の比較的荒れた馬場は追い風になりそう。輸送も順調にクリアしており、怖い存在だ。

2010年まで平たん小回りの旧コースで行われてきたが、ここでは過去10年のデータでレース参考を見てみたい(2011年は阪神施行)。

連対馬は4-6、4-2、1-13、4-5、3-1、1-6、3-4、2-3、1-2、3-8番人気の組み合わせで決まった。1着馬はすべて4番人気以内から出ているが、2着馬の半数は5番人気以下からの巻き返しだった。

馬連配当は
3けた……2回
1000円台…1回
2000円台…3回
4000円台…1回
6000円台…1回
万馬券……2回

13、8番人気が2着と健闘した年に4万250円、1万400円と荒れたが、残る8回は7000円未満で収まっている。

3着は1、3、2、1、15、3、11、1、10、1番人気がゴール。3連単配当は4万円台、3万円台、54万円台、3万円台、19万円台、2万円台、12万円台、5930円、2万円台、7万円台だった。4けた配当で堅く収まったのは1度だけ。10万円超の万馬券が3回も出ている。

ステップは阪急杯組が10年連続、計11連対で他路線を圧倒。次いでオーシャンS組4連対、シルクロードS組2連対の順。なお、最多連対の阪急杯組は4、1、3、3、5、2、7、1、3、1、1着からの臨戦だった。

年齢別は4〜8歳以上馬が2、9、7、1、1連対。連対率は5、20、16、3、5%。連対数、率で5歳馬が他世代をリードしている。

なお、牡馬VS牝馬は17対3。牝馬は苦戦している。


◎……ミッキーアイルは前走の阪急杯で好位から早めに抜け出す正攻法で2着。ハナ差届かなかったが、控える競馬を試して3回目で結果を出した。精神面で大きく成長し、スピードに加え自在性も身につけた。1200Mは初距離だが、折り合い面を考えればレースはしやすいはず。2個目のG1奪取のチャンスだ。

○……ダイワマッジョーレは出遅れた阪急杯でメンバー最速の上がりで差し切り。2走前の阪神カップでも中団で立ち回りハナ+クビ差の3着まで追い込んだ。G1勝ちはないものの、重賞で常に上位争いに食い込んでいる。初の1200Mでも軽視できない。

▲……ローブティサージュは阪急杯でハナ+クビ差の3着。好位で脚をため直線内から鋭く伸び、道悪巧者ぶりを見せつけた。3カ月ぶりを一度使われて前進は明らか。相手は強くなるが、時計のかかる馬場になればV争い必至だ。

△1……ハクサンムーンは逃げた前走のオーシャンSで0秒1差の2着。テンのスピードは現役屈指で、地力の高さも世界のロードカナリアを下した実績から証明済み。強力な同型馬との兼ね合いがカギとなるが、能力を出し切れば優勝のチャンスも十分ある。

△2……エアロヴェロシティは前走の香港スプリントを逃げ切りV。ストレイトガールにも0秒2差をつけてG1初制覇を達成した。そのスピードは驚異となるが、海外遠征は今回が初めて。近年の日本馬のホームでの強さを考えれば押さえが妥当。

△3……ストレイトガールは前走の香港スプリントで中団からしぶとく脚を伸ばして小差の3着。初の海外遠征で自慢の快速をアピールした。昨年このレース3着の実績から能力は認めるものの、今回は帰国初戦で予報も雨。パンパン馬場は期待できず、割り引きたい。