新馬戦を5馬身差の圧勝。好位の外でうまく折り合って直線に入ると、あとは後続を突き放すだけの一人舞台だった。兄に重賞勝ち馬フラガラッハがいる血統は良質。馬格も水準以上で、直線の急坂は苦にしない。有力視されるスズノネイロらが不利な外枠を引いたこともあり、勝機は大いにありそうだ。

デビューから2連勝した好素材。新馬戦はラスト2ハロン11秒0-11秒0のラップで差し切り、優れた瞬発力をアピール。続く前走・つわぶき賞(500万下)では人気の関西勢を一蹴した。折り合いに不安はなく、マイルへの距離延長にも対応できるはず。重賞でも有力な存在だろう。

中山マイルは昨秋の芙蓉S(OP)を制した舞台。その内容が秀逸の一言で、出遅れながらも外から豪快に差し切った。朝日杯フューチュリティS(G1)4着馬のフラムドグロワールを完封したのだから能力は相当。前走・阪神ジュベナイルF(G1)は8着に終わったが、馬群にモマれ、力んだことが敗因。スムーズな競馬なら巻き返しがあっていい。

距離が芝1200Mから1600Mに変更となって行われた過去4回、連対馬は1-4、11-2、1-7、3-14番人気で決まった。1番人気は2勝と期待に応え、2、3番人気も連に絡んでいるが、上位人気馬同士で決着した年はない。

馬連配当は1960円、9020円、1890円、3万3120円。3けた配当で収まったことはなく、波乱含みの傾向を見せている。

また、3連単配当は、13万2980円、8万7200円、1万3600円、50万9720円。4回中3回で1番人気が馬券対象になっているが、2けた人気が食い込むケースも多く、13万、50万馬券が飛び出す大荒れ。ちなみに、3着には10、1、2、5番人気が入線した。

連対馬のクラス別(着順)は重賞組3頭(6、9、10着)、500万下組1頭(3着)、新馬・未勝利組4頭(全馬1着)。重賞組の3頭はすべてG1阪神ジュベナイルFからの巻き返し馬だった。

キャリアは1〜5戦以上馬が2、0、1、4、1連対。戦歴4戦馬が最多の4連対となっているが、1戦馬も2連対しており、キャリアは不問としたい。


◎……サンブルエミューズは未勝利、オープン特別と2着以下を寄せ付けずに楽勝した。中でも2走前の芙蓉Sは、上がり33秒9の末脚で豪快に差し切った。阪神JFは2カ月半ぶり、初めて馬群にもまれてラストの伸びを欠いたが、今回は岩田騎手とのコンビも復活。叩き2戦目でG3戦なら巻き返しVも十分ある。

○……スズノネイロは新馬、500万特別と2戦2勝。いずれも1400M戦だったが、抜け出す脚が速く、2着に1馬身、2馬身差をつけた。1ハロン距離は延びるが、父デュランダル譲りの瞬発力は非凡。無傷のV3も夢ではない。

▲……デビュー戦のマイルでイリュミナンスは後続を5馬身ちぎった。好スタートで3番手に付け、直線を向いたところでハナに立つとそのまま押し切る強い競馬だった。中山に対応できるセンスがあり、ここで通用するスピードも備えている。

△1……ウインプリメーラは新馬戦を飾れなかったが、2戦目の芝1600Mを1分34秒9の好タイムで逃げ切った。レコード決着の前走・アルテミスSはハナに立てなかったものの、2番手追走から3着を死守した。2カ月半ぶりでも力を出し切れる状態に仕上がった。

△2……ウキヨノカゼはデビュー戦で東京の芝1600Mを快勝。18頭立ての17番枠から中団に付け、直線後続を2馬身半突き放した。器用さがひと息で東京向きは確かだが、流れに乗れば中山でも差はない。

△3……デビュー戦でスイートサルサは出遅れたが、直線外からレース最速の33秒9の上がりで3着まで迫った。あのレースぶりを見れば、未勝利勝ちは当然か。走破タイムでは見劣るが、G3でも通用する決め手を秘めている。