今年は06年に続き外国馬の参戦がなく,本来なら主役となるべきエスポワールシチーやJBCクラシックを制したスマートファルコンも不在。いまひとつ盛り上がりに欠けるが,その分レースは群雄割拠の混戦となった。
データは1,2,4〜8回は東京2100Mで,02年は中山競馬1800Mで行われたが,ここでは過去10回のレースを対象に傾向を見てみた。
連対馬は4-5,1-3,5-13,11-1,4-1,1-11,7-1,1-6,4-7,1-5番人気の組み合わせで決着した。1番人気は7連対となかなかの成績だが,2,3番人気が0,1連対と不振で,代わりに6番人気以下から6頭の伏兵馬が連に絡んでいる。
馬連配当は3けた〜1000円台5回,3000〜5000円台3回,万馬券2回。02年に6万100円,08年に1万1710円の万馬券が飛び出す一方で,2000円以内の順当な決着も5回。堅い馬券と万馬券が混在する難解なレースとなっている。
連対馬20頭のクラス別は重賞組17頭,オープン特別組1頭,条件組2頭。重賞をステップに出走した馬が好成績を挙げている。
路線別は8連対のJBCクラシック組がトップ。次いで武蔵野S組5連対,南部杯組3連対の順。なお,最多連対のJBCクラシック組は02〜08年まで7年連続連対の活躍を見せている。
年齢別は3〜7歳上馬が4,3,8,5,0連対。連対率は14,9,20,15,0%。連対数で5歳馬が一歩リードしているが,率では3歳,5歳,6歳世代に大きな差は見られない。
◎…トランセンドは過去2回レコード勝ちの快速馬。前走も好スタートからハナを立ち,先行馬にやや厳しい流れの中で,後方から追い込んだキングスエンブレムの追撃を封じた。ここも楽に単騎逃げが打てるメンバー。ピークのデキの今ならG1制覇は十分可能だ。
○…前走のキングスエンブレムは◎にまんまと逃げ切られたが,中団から上がり36秒4の豪脚で追い上げた。3走前に1600万下を勝ち,続くシリウスSで初重賞V。実績では見劣るが,底を見せていない魅力は大きい。
▲…アリゼオは春のスプリングSで,のちのジャパンC勝ちのローズキングダムを封じ込め,秋初戦の毎日王冠では古馬を一蹴した。強い3歳世代の中でトップ級の力量馬。ダートは未知数だが大駆けが期待できる。
△1…前走のJBCクラシック(船橋競馬)でシルクメビウスはまさかの9馬身半差の4着。3カ月ぶりと長距離輸送の影響が出たようだ。休養前に交流G2を連勝した実力馬。過去4回のたたき2戦目はすべて1着。一変を警戒したい。
△2…グロリアスノアは前走で武蔵野Sを勝ち重賞2勝目。2月のフェブラリーSで5着に健闘し,続くドバイ遠征でも4着だった。1ハロン距離が長い気もするが,G1で通用する地力を秘めている。
△3…オーロマイスターは2走前の交流G1南部杯で,2着のエスポワールシチーを3馬身ちぎって重賞初制覇。それも1分34秒8のレコードの勝利だった。前走の凡走は気になるが,G1馬の底力は軽視できない。