春のクラシックシリーズが開幕。第1弾は3歳牝馬による「桜の女王」決定戦。今年は重賞ウイナーが10頭顔をそろえたが,2勝馬は不在。どの馬にもチャンスのある混戦模様となった。
過去10年,1〜3番人気は6,3,1連対。1番人気はそこそこの成績だが,2,3番人気が不振で,6番人気以下から2けた人気4頭を含む9頭の伏兵馬が連対している。
馬連配当は3けた〜1000円台5回,3000円台1回,8000〜9000円台2回,万馬券2回。8000円以上の高配当が4回出ているが,中でも一昨年は,馬連19万6630円,馬単33万4440円,3連複77万8350円,3連単700万2920円の大荒れ。3連単配当は「5大クラシック」史上最高配当記録となっている。
連対馬20頭はすべて芝からの出走で,距離は1400〜1800M。前走1200M戦のジュエルオブナイルや2200M戦のタガノエリザベートは減点対象になる。
ステップは9連対のチューリップ賞組が断然。これをフラワーC組が3連対で追っている。
前走成績は1〜4着の10,3,2,2頭と,6,8,10着のそれぞれ1頭。掲示板を外して巻き返した馬は,わずか3頭だけ。後世に名を残す大一番を前に大敗しているようでは,狙いが立たない。
東西対決は関東馬60頭と関西馬117頭,地方馬1頭で争い,4対16対0。例年,関西馬が強く,「西高東低」といわれている。しかし,今年は関東馬も多士済々。2歳女王アパパネを筆頭に,フェアリーSを制したコスモネモシン,クイーンCを勝ったアプリコットフィズ。さらにアネモネS1着のギンザボナンザ,阪神ジュベナイルF2着のアニメイトバイオもいる。打倒関西馬を目指す関東馬にも注目したい。
◎…今年始動のチューリップ賞でアパパネは0秒1差の2着。休養明け,大外16番枠,道悪と厳しい条件の中で連を死守した。昨年暮れの阪神ジュベナイルF勝ちの時と同じように前走後は栗東に滞在。長距離輸送による消耗を避けて,万全の態勢で「桜の女王」奪取に臨む。
○…エーシンリターンズはチューリップ賞で3着に敗れたとはいえ,0秒1差。2着のアパパネとは僅差だった。3走前の未勝利を中団から差し切り,2走前のエルフィンSでは好位から鮮やかに抜け出した。人気薄だが,自在の脚質は魅力だ。
▲…マイルでアプリコットフィズは3戦して,2勝,2着1回。中でも前走クイーンCは直線半ばまで持ったままで,ゴール前で流す余裕で2着を2馬身ちぎった。唯一の敗戦もG3でクビ差。上位2頭をまとめて破れる底力を秘めている。
△1…オウケンサクラは2走前の道悪チューリップ賞を除くと,良馬場の1600〜1800Mで3連勝。前々で競馬ができることがセールスポイントで,3番手から楽々と抜け出した前走フラワーCは強かった。使い詰めの反動が出なければ差はない。
△2…シンメイフジは前走のフラワーCで5着。久々でテンションが高め,初ブリンカーも利いてかかり気味にハナに立った分,最後踏ん張り切れなかった。新潟2歳Sの勝ち馬だが,血統からは決して早熟ではない。
△3…阪神ジュベナイルFでアニメイトバイオはアパパネの半馬身差2着。勝負どころでをいったん後退しながら直線盛り返した。前走は3カ月ぶりで14キロ増。たたき2戦目のここはノーマークにできない。