春のオークスでJRA・G1史上初の1着同着という名勝負を演じたアパパネとサンテミリオンが,淀の舞台で再び激突する。アパパネが優勝なら,メジロラモーヌ(86年),スティルインラブ(03年)に続く史上3頭目の牝馬3冠を達成する。サンテミリオンが勝てば2冠を獲得。それとも新女王の誕生か。
過去10年,1〜3番人気は4,7,2連対。1番人気は4連対とアテにならないが,7連対の2番人気がこれをカバーしている。
馬連配当は3けた4回,1000〜2000円台3回,5000円台1回,万馬券2回。00年と08年に10,11番人気が優勝して万馬券となったが,大半は3000円以下でほぼ平穏に収まっている。
連対馬20頭のクラス別は,重賞組19頭と900万下(現1000万下)組1頭。路線別はローズS組が15連対で,2連対のオークス組などを大きく引き離している。
勝利数別は1〜5勝馬がそれぞれ0,3,8,7,2連対。1勝馬の連対はなく,02年のシアリアスバイオの3着が最高となっている。なお,2勝馬も3連対と狙いづらいが,ここ2年連続で連対して反撃ムードを見せている。
距離別は1800M8頭,2000M10頭,2400M2頭。中距離の1800〜2000Mをステップにした馬が,連対馬の9割を占めている。また,出走間隔は,中3週組16頭,2カ月〜3カ月半組2頭,5カ月組2頭。9月にトライアルレースのローズSが組まれている関係で,中3週のローテーションに連対馬が集中している。
◎…2冠馬・アパパネで勝負する。前走のローズSは0秒2差の4着。直線他馬と接触する不利がありながら馬群を割って鋭く伸びた。馬体重24キロ増はトライアルで情状酌量の余地もあった。春は休み明けのチューリップ賞2着から本番で桜花賞を制した。一度たたいた上積みを考えれば,牝馬3冠達成の確率はかなり高い。
○…前走のローズSでエーシンリターンズは12キロ増の馬体で3着。道中やや後方につけて直線力強く伸びて0秒2差まで迫った。春にチューリップ賞と桜花賞でアパパネと0秒1差の3着。オークス14着は距離が合わなかったもので,反撃のチャンスは十分にある。
▲…オウケンサクラは桜花賞でアパパネと半馬身差の2着で,オークスは3馬身半差の5着。前走のローズSは休養明けで8着と敗れたが,世代トップ級の素質を秘めていることは間違いない。たたき2戦目の巻き返しが期待できる。
△1…サンテミリオンはアパパネと優勝を分け合ったオークス馬。レースは中団で脚をためて直線一気に追い込んできた。5カ月休養でのぶっつけのローテーションは厳しいが,実績は互角だ。
△2…アプリコットフィズの春2冠は5,6着。善戦止まりだったが,早いうちからアパパネと並んで東のクラシック候補として名を連ねていた。前走でクイーンSを勝った上昇度も軽視できない。
△3…前走のローズSでワイルドラズベリーは2着。直線,メンバー最速の上がり33秒4の決め手を発揮してアタマ差まで追い上げた。実績では一歩譲るが,正月の紅梅Sで重賞ウイナー2頭をまとめて差し切った力量馬。はまれば一発が決まる。