6週連続開催の春G1シリーズの第1弾は伝統の天皇賞(春)。昨年に続き今年も18頭のスタミナ自慢が集結した。過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
連対馬は1-3,1-3,2-3,7-8,10-4,13-14,1-2,2-11,3-2,12-4番人気で決まった。馬連配当は3けた4回,2000円台1回,万馬券5回。半数の5回は上位人気馬同士の1,2着でほぼ平穏に収まっている。しかし,残る5回は1万6490円,3万6680円,8万5020円,2万750円,1万200円。伏兵馬の台頭で万馬券が乱れ飛ぶ大荒れとなっている。
連対馬20頭中19頭は芝からの臨戦で,クラス別はG2組18頭,オープン特別組2頭。路線別は日経賞(2500M)組7連対,阪神大賞典(3000M)組6連対,大阪杯(2000M)組4連対,大阪-ハンブルクC(2500M)組2連対,ダイオライト記念(ダート2400M)組1連対。日経賞組が最多連対を果たし,昨年も1,2着を独占する好相性を見せている。
連対馬20頭すべてが重賞を経験し,うち17頭は重賞ウイナー。重賞未勝利馬はラスカルスズカ(00年),エリモエクスパイア(07年),昨年のマイネルキッツと3頭いたが,それぞれ阪神大賞典2着,ダイヤモンドS2着,日経賞2着。2500M以上の長距離戦で連を確保していた。
年齢別は4〜8歳上馬が10,7,2,1,0連対し,連対率は21,16,7,5,0%。4歳馬と5歳馬が世代争いを演じている。
東西対決は関東馬が31頭出走して4連対(連対率13%),関西馬は121頭で16連対(同13%)。関西馬が連対数で関東馬を大きくリードしているものの,率ては互角。東西間格差は気にしなくてもよさそうだ。
◎…前走のジャミールは4コーナーから大外を回ってスパート。直線,メイショウベルーガとのたたき合いを制して2着を確保した。内から抜け出したトウカイトリックにクビ差遅れたが,重賞初挑戦でいきなりメドを立てた。実績では一歩譲るが,長距離戦は得意。G1奪取のチャンスとみた。
○…昨年の菊花賞でフォゲッタブルはハナ差の2着。続くステイヤーズS勝ちで,ようやく良血が開花した。有馬記念では4着と敗れたが,今年初戦のダイヤモンドSを制した。このメンバーに入れば力量上位。逆転Vがあっても不思議はない。
▲…テイエムアンコールは前走・大阪杯でドリームジャーニーの追撃を封じて重賞初制覇。2走前の中山記念でも2着していたように着実に地力アップしてきた。初距離の3200M戦で人気を落としていてるが,父がオペラハウスならスタミナに問題はない。
△1…ジャガーメイルは2カ月半ぶりとなるが,休養前の京都記念で2着。ドリームジャーニー(3着)に先着,勝ったブエナビスタとは半馬身差だった。昨年は香港遠征からのぶっつけで5着に敗れたが,今年は臨戦過程はすこぶる順調。G1奪取に力が入る。
△2…マイネルキッツは昨年,G1初挑戦で春の天皇賞馬に輝いた。その後勝ち星に見放されていたが,前走の日経賞で59キロを背負って,直線狭いところを割って差し切った。7歳馬はここ10年で2着1回のデータは気になるが,ノーマークにはできない。
△3…トーセンクラウンは2走前の中山記念で2着を5馬身ちぎった。得意の道悪馬場をだったことを割り引いても強い競馬。前走の日経賞3着(0秒1差)で2走前がフロックでないことを証明した。スピード競馬では苦しいが,時計のかかる馬場なら侮れない。