香港馬3頭と日本馬15頭で争われる春のマイル王決定戦。軸馬不在の難解な一戦となった。過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
連対馬は10-6,9-15,7-2,4-6,6-4,7-10,3-10,2-3,2-5,1-2番人気で決まった。1〜3番人気は1,4,2連対と元気がなく,代わりに6番人気以下から10頭もの伏兵馬が連対している。
馬連配当は3けた1回,2000〜3000円台3回,5000円台1回,万馬券5回。半数の5回が万馬券決着となる大荒れ。01年には9,15番人気のワンツーで12万馬券の大波乱となった。ただ,ここ3年は290〜3680円。ひところに比べると平穏に収まっている。
ステップは5連対の京王杯スプリングC組がトップ。2連対でチャンピオンズマイル(香港)組,ドバイデューティフリー(UAE)組とヴィクトリアマイル組が続いている。
年齢別は3〜8歳以上馬が2,51,54,44,23,6頭出走して,それぞれ0,6,5,5,4,0連対。3,8歳馬の連対はなく,4〜7歳馬の争いとなっている。
関東馬は76頭が出走して5連対(連対率7%),関西馬が81頭で11連対(同14%)。連対数,率で関西馬が関東馬をリードしている。なお,外国馬は23頭出走して4連対(連対率17%)。連対数では見劣るが,率では日本馬を上回っている。
◎…トライアンフマーチは前走のマイラーズCで2着。スローの後方から33秒3の末脚で追い上げたがクビだけ届かなかった。強烈な決め手には定評があり,東京マイルも2戦2連対。脚の使いどころひとつで突き抜けられる。
○…3カ月ぶりのマイラーズCでキャプテントゥーレは3着。直線で進路変更するロスがあったが,そこから鋭く伸びて0秒2差に迫った。たたき2戦目。春G1レース2勝と波に乗る横山典騎手とのコンビも買い材料だ。
▲…リーチザクラウンは前走のマイラーズCで1年2カ月ぶりに復活した。08年の新馬戦で2着に敗れたが,勝ったアンライバルドが皐月賞を勝ち,3着ブエナビスタは桜花賞,オークスを制している。G1級の能力を秘めているのは明らかだ。
△1…スマイルジャックの前走マイラーズCは5着。道中で他馬にぶつけられるアクシデントがあり,前に行った馬で決まる流れも向かなかった。スプリングSを制し,ダービー2着の実力馬。スムーズな競馬で巻き返しを狙う。
△2…ビューティーフラッシュは1月に香港クラシックマイル(ローカルG1)を逃げて圧勝。逃げ,先行での活躍が目立っていたが,前走の国際G1チャンピオンズマイルの3着は後方から追い込んだ。脚をためる競馬で展開がはまれば逆転Vもある。
△3…前走のメイSでショウワモダンは59キロを背負いながら,1分45秒7の好タイムで快勝した。6歳の春にようやく本格化。G1初挑戦となるが,今の充実度なら大駆けがあっても驚けない。