桜花賞の1600Mから2400Mに距離が延びる。牝馬限定のG1としては最長距離で,多くの馬にとって初めての経験。それだけに過酷なレースとなり,数多くの名牝が涙をのんでいる。
今年で71回目を迎える「樫の女王」をどの馬が射止めるのか。過去10年のデータでレース傾向を探ってみたい。
ここまで1〜3番人気は4,3,1連対と精彩を欠いている。しかし,伏兵馬の連対は6番人気1頭,12番人気1頭,13番人気2頭と少ない。
馬連配当は3けた2回,1000円台2回,4000円台2回,万馬券4回。比較的堅い馬券と万馬券が入り混じる,難解なG1戦となっている。
連対馬の19頭までが前走重賞からの出走で,1頭がオープン特別。路線別は桜花賞組が16連対と他路線を圧倒し,フローラS組とスイートピーS組がそれぞれ3,1連対している。なお,桜花賞組は10回中7回で連を独占し,ここ2年は3着も確保している。
キャリアは3〜9戦の範囲で,それぞれ2,6,2,4,4,1,1連対。今年の最少キャリアはトレノエンジェルの3戦で,最多がニーマルオトメの9戦。全馬連対の条件をクリアーしている。
また,関東馬VS関西馬は67頭と111頭で争い,4対16。連対率はそれぞれ6%,14%。関西馬が関東馬を寄せ付けない強さを見せている。
◎…桜花賞はスローで上位を先行勢が占めた。そんな中でショウリュウムーンは後方でから追い込んで4着。直線100Mで前が狭くなり,全力を出し切れなかったが,アパパネと0秒2差だった。チューリップ賞ではそのアパパネを差し切り勝ち。鞍上も昨年のリーデングジョッキー内田博騎手なら逆転Vが期待できる。
○…サンテミリオンはトライアルのフローラSを制して,3勝3着1回と底を見せていない。大外18番枠は気になるが,前走も外枠不利といわれる東京の2000Mを大外15番枠からレースレコードで差し切った。長距離歓迎のゼンノロブロイ産駒。新女王誕生も十分ある。
▲…阪神ジュベナイルF,桜花賞を制したアパパネ。G1レース2勝の実力は世代トップの存在だ。母がスプリンターだが,折り合いに心配のないタイプで,好位で立ち回れる脚質も心強い。東京でも2戦2勝のレース巧者だ。
△1…オウケンサクラはフラワーCでサンテミリオンを破って,桜花賞でアパパネと半馬身差の2着。前走は逃げてゴール前で差されたが,好位につけて折り合う競馬もできる。関東への長距離輸送も経験済みで,大勢逆転があっても驚けない。
△2…アプリコットフィズは430キロの小型馬。前走の桜花賞は栗東への長距離輸送の影響かデビュー以来最も軽い馬体だった。地元東京では新馬戦で4馬身,クイーンCで2馬身と後続の追撃を封じて圧勝。2戦2勝と得意の舞台での大駆けを警戒したい。
△3…たたき2戦目の前走桜花賞で8着に敗れたアニメイトバイオ。敗因はやはり20キロ減の馬体と決めつけていいだろう。東京コースではサフラン賞をレコードで勝ち,京王杯2歳Sで2着。前走は規準外とみればノーマークにはできない。