春のダート王決定戦。今年はダート競走初挑戦の4頭がレースを盛り上げる。ローレルゲレイロは昨年の高松宮記念とスプリンターズSを制した昨年の最優秀短距離馬で,スーパーホーネット,リーチザクラウン,レッドスパーダも芝のG1戦線をにぎわせた。芝で実績を残してきた馬たちに勝機はあるのか。早速,過去10年のデータで傾向を見てみたい。
連対馬は4-2,5-2,1-4,1-3,1-3,1-5,1-2,3-2,1-7,6-3番人気の組み合わせで決着した(03年は中山競馬)。1〜3番人気は6,4,4連対と好調で,上位3番人気がそろって消えたことは一度もない。
馬連配当は3けた〜1000円台7回,2000円台2回,4000円台1回。昨年6,3番人気で決まった4710円が最高配当で,ここまでは本命党好みのレースとなっている。
ただ,過去5回の3連単配当は1万2220円,2万1200円,5万4210円,1万7550円,5万7720円。すべて万馬券となっており,穴を狙うなら3連単をお勧めしたい。ちなみに,3着には6,11,9,3,1番人気馬が入線している。
連対馬の20頭中19頭が前走ダート戦で,クラス別は重賞組19頭(芝1頭を含む)と1600万下1頭。距離別は1400M2頭,1800M5頭,2000M7頭,2100M6頭。中距離以上から出走した馬が好走している。
路線別は東京大賞典組が6連対でトップ。これを4連対の平安S組が追い,3連対でジャパンCダート組と川崎記念組,2連対で根岸Sが続いている。
年齢別は4〜8歳上馬が39,29,48,25,18頭出走して,9,7,2,1,1連対。4歳馬と5歳馬が,他世代を大きく引き離している。なお,一昨年6,8歳馬でワンツー決着したが,その年を除くと,この2世代から1頭は必ず連対している。
所属別は関東馬36頭,関西馬108頭,地方馬15頭で争い,1,18,1連対。関西馬が関東馬と地方馬を圧倒している。
◎…レッドスパーダは年明けからニューイヤーS,東京新聞杯を連勝。NHKマイルC2着馬がマイル巧者ぶりを改めてアピールした。父・タイキシャトルは芝でG1を5勝。その実績からダート成績は目立たないが,デビューから2連勝し,5戦目のユニコーンS(G3)を制覇。ダートは3戦3勝と負け知らずだった。「関東馬苦戦」「ダート初挑戦馬は厳しい」とのデータも出ているが,藤沢和雄調教師が勝算なく芝からダートへ路線変更するとは思えない。「(2連勝で)勢い良し」「マイル良し」「ダート良し」。レッドスパーダが一気にダート界の頂点に立つと見た。
○…エスポワールシチーは昨年4着だったが,その一戦をバネにG1レース3勝を含め目下4連勝中。前走のジャパンCダートでは2着以下を3馬身半ちぎって圧勝した。好位から抜け出す競馬が可能で,展開も不問。G1レース4連勝は十分ある。
▲…前走の根岸Sをグロリアスノアは休養明けで快勝した。中団でじっくりと脚をため,直線で末脚を一気に爆発させた。東京のダート1600Mは1,1,2着の実績。実績では一歩譲るが,前走のレースぶりから上位争いは間違いない。
△1…リーチザクラウンはダービー2着,菊花賞5着とクラシックロードを歩んできた4歳世代の代表格。ダート初挑戦がポイントとなるが,2歳時に1600Mの千両賞で2着を3馬身突き放した。マイル戦ならかかる心配はなく,エンジンが全開する期待も大きい。
△2…スーニは前走の根岸S4着。マイル以下のダートで初めて連を外したが,メンバー中最も重い58キロを背負った影響もあった。能力差はなく,1ハロンの距離延長も対応できそうだ。
△3…サクセスブロッケンは昨年のこのレースを1分34秒6の驚異のレコードで制した。その後エスポワールシチーに2戦完敗したが,前走の東京大賞典でヴァーミリアン以下を破った。直線の長い東京コースも歓迎で,末脚勝負になれば首位争いに浮上してもおかしくない。