上半期を締めくくるグランプリ「宝塚記念」。ファン投票1位のウオッカが直前に回避したのは残念だが,ディープスカイ(2位),ドリームジャーニー(3位)など14頭の豪華メンバーが結集した。
過去10年の連対馬は2??1,1??6,2??1,1??4,6??8,1??6,11??3,1??10,3??2,5??1番人気で決まった。1番人気は7連対と上々の成績を残しているものの,2,3番人気がそれぞれ3,2連対と精彩を欠いている。
馬連配当は1番人気の消えた03年と05年に1万4080円,1万1390円と荒れたが,残る8回は3けた配当2回と1000円台6回。万馬券決着か,2000円以下かの両極端な結果となっている。
連対馬の前走はG1組15頭とG2組5頭。全馬G2以上のハイレベルなレースからの出走で,G3やオープン特別からの参戦馬の出番はない。
路線別では天皇賞(春)組11連対,金鯱賞組5連対,安田記念組3連対,クイーンエリザベス2世C組1連対。一昨年の海外遠征帰りのアドマイヤムーンを除くと,ステップは3路線に絞られる。
年齢別は3??8歳上馬が0,12,5,1,2,0連対。連対率は0,29,12,4,13,0%。4歳馬が連対数,率で他世代を大きくリードしている。
◎…サクラメガワンダーは前走の金鯱賞を堂々の横綱相撲で制覇。中団やや前で脚をため,直線,鞍上がゴーサインを出すと一気に弾けた。阪神の芝は7勝中4勝を挙げている得意の舞台で,京都記念2着から距離適性も十分。G1初制覇のチャンスと見た。
○…前走の安田記念でディープスカイは0秒1差の2着。ウオッカの決め手にこそ屈したが,G1レース2勝の底力をゴール寸前まで見せつけた。距離延長,春3戦目の理想的なローテーション。激走の疲れが出なければ楽勝のシーンもある。
▲…アルナスラインは,天皇賞(春)で流れに乗って直線でも良い伸びを見せたが,インを狙ったマイネルキッツにクビだけ先着を許した。一昨年の菊花賞のアタマ差2着に続く惜敗。能力はG1級。いつ反撃があっても驚けない。
△1…天皇賞(春)でドリームジャーニーは0秒3差の3着。本質的に長距離向きではないが,中団追走から最後までしっかりと伸びた。2歳時に一度は世代の頂点に上り詰めた力量馬。自慢の末脚が爆発すれば態勢逆転もある。
△2…マイネルキッツは天皇賞(春)の直線のたたき合いで,アルナスラインにクビ差先着。重賞8戦で2着3回の善戦止まりを返上してG1初制覇を果たした。今回も早々と栗東入り。渋った馬場にも対応でき,気分良く走れば,なだれ込みも十分。
△3…前走の安田記念でカンパニーは,直線大外から伸びて0秒3差の4着。8歳馬とは思えない鋭い脚を見せた。本質的には中距離馬だが,初騎乗の岩田騎手が新味を引き出せば,大駆けが期待できる。