ダービー馬のロジユニヴァースが出走せず,3冠最終戦は混戦模様となった。馬の能力だけではなく,騎手の技量が問われる3000M戦。11月に行なわれた99年を含めた過去10回のレースで傾向を見てみたい。
1〜3番人気は2,3,2連対と不振で,代わりに6番人気以下から2けた人気馬4頭を含む9頭が連対している。
馬連配当は3けた〜2000台4回,5000〜6000円台2回,万馬券4回。10回中で4回万馬券が飛び出すG1レースだが,波乱の4回中3回はダービー馬不在の年に出現している。
路線別は神戸新聞杯組11連対,セントライト記念組3連対。東西のトライアル戦をステップにした馬が活躍している。なお,最多連対の神戸新聞杯組は3,6,5,4,1,5,3,1,2,3,12着からの臨戦。昨年のフローテーションを除く10頭は6着以内。大敗した馬の巻き返しは厳しい。
勝利数別は1〜5勝以上馬が,0,7,11,1,1連対。1勝馬が連対したことはなく,今年この条件に当てはまるイグゼキュティヴとトライアンフマーチにとっては気になるデータといえる。
連対馬20頭中19頭は重賞に出走した経験があり,うち13頭は1,2着馬だった。重賞での連対実績はともかく,このレースが重賞初出走では減点対象となる。
◎…アンライバルドは前走・神戸新聞杯で中団からの追走。3コーナーまでは掛かるシーンも見られたが,直線外から追い上げて4着としぶとく食い下がっていた。父ネオユニヴァース(03年)と半兄フサイチコンコルド(96年)はダービー馬で,菊花賞はともに3着。スタミナ戦に対応できる血が流れている。皐月賞を制覇した末脚で“菊の大輪”を奪取するチャンスだ。
○…ダービー2着のリーチザクラウンは秋初戦の神戸新聞杯で2着。春は折り合いをつけるのに苦労したが,夏を越して気性面が成長した。京都は初勝利の大差勝ち,重賞制覇のきさらぎ賞。ラスト1冠を奪取する資格は十分ある。
▲…アドマイヤメジャーは今年未勝利から3連勝した上がり馬。前走・セントライト記念は出遅れて4着に敗れたが,7分の6の抽選を突破して本番へ駒を進めてきた。トライアルは勝ち切れなかったが,世代トップ級の素質を備えていることは間違いない。
△1…イコピコは前走・神戸新聞杯をレコード勝ち。春の2強を33秒7の剛脚で一蹴した。3000Mは未知数だが,馬の勢いに加えて鞍上も先週の秋華賞を制した四位騎手。激走の反動がなければ怖い存在だ。
△2…セイウンワンダーは距離を不安視された2400Mの神戸新聞杯で3着。長距離戦でも自慢の切れ味が鈍らないことを見せ付けた。朝日杯フューチュリティSを制した2歳王者が「菊」奪取に全力投球する。
△3…牝馬のポルカマズルカはクラシック追加登録料200万円を払って参戦してきた。前走・2600Mの阿寒湖特別(1000万下)で古馬を一蹴したように,長距離戦を得意にしている。勝ち負けまでは厳しくても,3着争いにはマークしたい。