3歳牝馬のG1最終戦。春2冠で上位1〜3着を占めたブエナビスタ,レッドディザイア,ジェルミナルがそろって参戦する。勝てば史上3頭目の牝馬3冠馬になるブエナビスタに注目が集まるが,最後の1冠を狙うライバルたちも仕上がり万全。フルゲート18頭で激しい戦いが予想される。
過去10年,1〜3番人気はそれぞれ4,6,1連対。2番人気は6連対とまずまずの成績だが,1,3番人気が不振で,代わりに7〜12番人気から7頭が連対している。
馬連配当は99,00年と2けた人気が続けて勝ち,2年連続で万馬券決着となった。その後7回は比較的平穏に収まっていたが,昨年,再び2けた人気が優勝して2万3080円と荒れ,3着にも16番人気が入って3連単は重賞史上最高配当となる1098万2020円(歴代第3位の高額払戻金)の大波乱となった。
ステップはローズS組が10回中9回で連に絡んで,連対頭数でも14頭と他路線組を圧倒している。
1〜5勝馬が0,4,8,6,2連対。連対率は0,5,12,32,67%。連対実績のない1勝馬は狙いづらく,2勝馬も連対率5%では主力視できない。連軸には3勝以上馬を指名したい。
連対馬の前走距離は1800M7頭,2000M11頭,2400M2頭。1800〜2000Mをステップにした馬が9割を占めている。ちなみに2400Mから連対した2頭はともにオークスからの直行馬で,そこでの成績は3,1着。また,出走間隔は,5月出走馬2頭,7〜8月出走馬2頭,9〜10月出走馬16頭。夏から秋にかけて一度以上出走していることが理想といえる。
◎…本命にミクロコスモスを抜擢する。2冠馬ブエナビスタは3カ月ぶりの前走・札幌記念で古馬一線級を相手にクビ差の2着。同世代の牝馬では抜けた存在だが,京都の内回り2000Mは直線が短く,紛れの起こりやすいコース。取りこぼす可能性もあると見る。ミクロコスモスは放牧をはさんで立て直された夏の北海道戦で,大外から鋭く追い込んで久々に勝利を挙げた。前走・ローズSは出遅れ,道中外を回るロスで4着と敗れたが,春一連の戦績から決め手は間違いなくG1級。ラスト1冠で素質馬の末脚がさく裂する。
○…レッドディザイアはデビューから5戦して,2勝,2着3回と連対率100%を堅持している。2冠レースで連続2着の実績馬。京都内回りの直線は短いが,仕掛けひとつで1冠奪取がかなう。
▲…2冠馬ブエナビスタはここまで同世代の牝馬に一度も先着を許していない。内回りコースがカギとなるが,力を出し切れば史上3頭目の牝馬3冠達成は間違いない。
△1…ジェルミナルは桜花賞,オークスといずれも3着。地味なレースぶりで目立たないが,世代ナンバー3の力量馬だ。前走は4カ月ぶりの影響で直線息切れしたが,2戦目の変わり身を警戒したい。
△2…前哨戦のローズSでブロードストリートは,レッドディザイアの追撃をクビ差退けてレコード勝ち。馬込みを苦にせず立ち回れるのは大きな武器。激走の反動が出なければ,今回も好勝負になる。
△3…春のエルフィンSでワイドサファイアはレッドディザイアとハナ差の2着。G2のフローラSでもディアジーナ(クイーンC・1着)の2着と健闘した。馬群に包まれて脚を余した前走・ローズSは度外視だ。