5月を迎えて春競馬も本格化。今週から6週連続でG1レースが開催される。第1弾は淀の京都競馬場で行われる古馬の頂点決戦,天皇賞(春)。今年は4年ぶりのフルゲート18頭立てで,どの馬にもチャンスのある混戦となった。
過去10年,1??3番人気はそれぞれ4,4,5連対。上位人気で連対馬の65%を占めているが,2けた人気馬も4頭が連に絡んでいる。
10回中6回は上位人気馬同士の組み合わせで平穏に収まっているが,伏兵馬が連に絡んだ03??05年と07年に1万6490円,3万6680円,8万5020円,2万750円の万馬券が飛び出す大荒れとなっている。
連対馬の前走は芝19頭とダート1頭。路線別は阪神大賞典(3000M)組8連対,日経賞(2500M)組5連対,大阪杯(2000M)組4連対,大阪??ハンブルクC(2500M)組2連対,ダイオライト記念(ダート2400M)組1連対。阪神大賞典組が好相性を示しているが,この5年は2連対と苦戦傾向にある。
連対馬20頭はすべて重賞経験馬で,うち18頭は重賞ウイナーだった。重賞未勝利は00年のラスカルスズカと07年のエリモエクスパイアだが,前者は阪神大賞典の2着馬で,後者はダイヤモンドSの2着馬。重賞勝ちはなかったが,3000Mを超える長距離重賞で連対を果たしていた。
年齢別は4??8歳上馬が11,7,1,1,0連対。連対率はそれぞれ22,16,4,5,0%連対数,率で4歳馬が他世代を大きくリードしている。
関東馬は30頭が出走して3連対(連対率10%),関西馬が117頭で17連対(同15%),外国馬が1頭で0連対(同0%)。出走頭数を考えると関東馬も悲観する成績ではないが,連対数,率で関東馬を上回っている関西馬を中心視する方が賢明か。
◎…モンテクリスエスは2走前のダイヤモンドSをレコードV。前半は後方で脚をタメて,坂下から先に抜けた2着馬を外から豪快に差し切った。前走・日経賞は中山コースで不向きなはずだったが,アルナスラインの0秒2差の3着と健闘した。直線の長い京都外回りに舞台が変われば,末脚が爆発する。
○…アサクサキングスは京都記念,阪神大賞典と重賞2連勝。着差はクビ,ハナだったが,直線で相手をねじ伏せるような強い競馬だった。昨年3着の雪辱を晴らすチャンスは十分にある。
▲…スクリーンヒーローは復帰戦となった前走・阪神大賞典でアサクサキングスの4着。3カ月ぶり,道悪で59キロの斤量を考慮すれば悲観する内容ではない。昨年のジャパンCの覇者が,一度たたいた効果で巻き返しがあってもおかしくない。
△1…前走の大阪杯でドリームジャーニーはディープスカイを前に置いて余裕の追走。直線を向くと外から一気に襲いかかり,クビ差競り勝った。2歳チャンピオンだが,菊花賞5着の実績からスタミナも備えている。
△2…昨秋からスランプが続いていたアルナスラインが,前走・日経賞の勝利で完全に復活した。一昨年の菊花賞でアサクサキングスとアタマ差の接戦を演じた実力馬。距離延長も望むところだ。
△3…前走の阪神大賞典でヒカルカザブエはゴール寸前までアサクサキングスと競り合ってハナ差2着。重賞未勝利で実績は見劣るが,並ばれて抜かせない勝負根性は侮れない。