圧倒的な人気に応えて桜花賞を制したブエナビスタが,ここも不動の1番人気になるのは間違いない。しかし,過去69回の歴史を見ると,2冠を達成したのは10頭だけ。5連勝の快進撃でブエナビスタが「樫の女王」の座に輝くのか,それとも「桜の女王」を破って新星が出現するのか。過去10年の連対馬を分析してレース傾向を探ってみたい。
1??3番人気は4,2,1連対。上位人気は不振で,6番人気以下から5頭が連対している。
馬連配当は3けた??2000円台4回,4000円台2回,万馬券4回。05年に1,2番人気のワンツーで630円と堅く収まったが,02年から3年連続万馬券決着で,昨年も2万馬券が飛び出す大荒れ。一筋縄では収まらない難解なレースとなっている。
ステップは桜花賞組が16連対,フローラS組3連対,スイートピーS組1連対。桜花賞組が他路線を圧倒しているが,ここ3年では桜花賞組4連対,フローラS組とスイートピーS組1連対。オークスのトライアル組が健闘を見せている。
なお,桜花賞1着馬は10年間で7頭が出走して,3,2,3,1,4,6,3着。2冠達成できたのは03年のスティルインラブの1頭だけ。2冠を目指すブエナビスタにとってハードルはかなり高いといえる。
連対馬の最長経験距離は,1600M8頭,1800M6頭(00年のシルクプリマドンナはダート),2000M5頭,2200M1頭。スタミナを問われる2400M戦だが,連対馬の7割は1600??1800Mの範囲。距離経験に神経を尖らせる必要はなさそうだ。
◎…2走前の忘れな草賞でブロードストリートは1馬身半差の2着。中団追走からレース最速の上がりで追い込んだが,2番手から抜け出した勝ち馬とは位置取りの差が出たようだ。前走・スイートピーSでは初の長距離輸送と左回りを楽々とクリアーして,上がり33秒8で差し切った。チューリップ賞でブエナビスタに4着と敗れたが,パワーアップした今なら逆転してもおかしくない。
○…ブエナビスタは桜花賞を馬群の大外を回る安全策で快勝した。デビュー戦こそ3着と遅れを取ったが,その後圧倒的な強さで4連勝し,すでにG1レース2勝の実績。牝馬同士では先着を許したことがなく,距離延長も望むところ。2冠達成しても驚けない力量馬だ。
▲…ダノンベルベールは5戦5連対と抜群の安定感を誇っていたが,前走の桜花賞で8着と初めて連を外した。最内1番枠で馬場の悪いところを走らされ伸びを欠いたのが敗因だ。阪神JF2着,クイーンC2着の能力は間違いなく世代トップ級。反撃のチャンスは十分ある。
△1…桜花賞でレッドディザイアはあわやの2着。勝負どころから進出を開始し,早めに抜け出す強気の競馬で,最後の最後までしぶとく粘った。キャリア2戦で2カ月ぶりの実戦G1レースで2着。今回も警戒が必要だ。
△2…ディアジーナはフローラSで2着以下を2馬身ちぎって圧勝。2走前のフラワーCでクビ差2着のリベンジを果たした。もともとクーインC後はオークス一本に照準を合わせての出走。東京コースで重賞2勝の実績も侮れない。
△3…デリキットピースは2000Mの新馬,忘れな草賞を連勝した。前走の忘れな草賞は極端に外差しの利く馬場だったが,好位の内から抜け出した。2戦2勝と底を見せていない魅力は大きいが,キャリア2戦はマイナス材料。ここでは連下の評価に留めたい。