クラシック第1弾は3歳牝馬による「桜の女王」決定戦。06年までは「おむすび型」のトリッキーなコースで行われていたが,その年のリニューアル工事で外回り1600Mコースが新設された。
従来はスタートするとすぐにカーブを迎えるため,先行争いが激しく「魔の桜花賞」ペースを巻き起こしやすかった。しかし,改修後はコーナーまでの距離が長くなったため,発馬直後から競り合うケースが減り,緩やかなペースで行われることが多くなっている。
ちなみに,旧コースで行われた05,06年と昨年の1000M通過タイムを比較してみると,58秒0,58秒8と59秒8。新コースでは1.8秒,1秒とペースが遅くなった。
外回り1600Mコースで桜花賞の傾向が変ってくる可能性もあるが,過去10年のレースを振り返って傾向を見てみたい。
連対馬は3??4,4??2,6??7,1??4,13??7,2??13,1??7,2??1,6??1,3??1番人気の組み合わせで決着した。上位1??3番人気は計10連対とほめられる成績ではなく,6番人気以下から7頭が連に食い込んでいる。
馬連配当は
3けた……………1回
1000円台……4回
2000円台……1回
3000円台……1回
8000円台……1回
9000円台……1回
万馬券……………1回
02年に13,7番人気の1,2着で3万4440円と大きく荒れたが,7回は4000円以下で収まっている。
前走は重賞組18頭,オープン特別1頭,500万下1頭。前哨戦で重賞に出走していることが理想となっている。
路線別はチューリップ賞組が10連対でトップ。4連対のフィリーズレビュー組(旧4歳牝馬特別を含む),3連対のフラワーC組の順。最多連対のチューリップ賞組は本番と同距離,同舞台を経験した強みを生かして,他路線を大きくリードしている。
連対馬20頭のキャリアは,3??8戦以上馬がそれぞれ5,7,3,1,2,2連対。キャリア3??5戦馬が好成績を残している。
◎…前走のクイーンCで重賞を制覇したリトルアマポーラで勝負する。ここまで4戦3勝。牡馬相手の京成杯で4着に敗れたが,牝馬には一度も負けていない。3勝はすべてマイルで,うち2勝が阪神コース。重賞連覇で桜の女王の座を射止める。
○…2歳女王のトールポピーはチューリップ賞でハナ差2着に惜敗。道中は好位集団の馬群の中に押し込まれたが,きっちりと折り合い直線馬群をさばいて伸びた。前哨戦としては本番につながる収穫のある内容。2つ目のG1を射止める態勢は整った。
▲…オディールはトライアルのチューリップ賞でハナ+ハナ差の3着。出遅れ,道中外々を回るロスがありながら,上がり33秒5の豪脚を発揮した。休養明けをたたかれて上昇は確実。阪神JFで1番人気に支持された素質馬の末脚が爆発する。
△1…ブラックエンブレムは,きんせんか賞→フラワーCと連勝中。その前走はかかってハナに立ち,道中も後続に突かれ,絡まれる厳しい展開。それを振り切って逃げ切った。先週4日に早々と栗東トレセン入りし,戦闘態勢も万全だ。
△2…ソーマジックは未勝利,春菜賞と連勝。勢いに乗って挑戦したトライアルのアネモネSでは,後方待機から直線一気に差し切りを決めた。派手さはないが自在性と鋭い末脚を秘めている。関東からの直前輸送が課題となるが,4連勝があっても驚けない。
△3…ポルトフィーノは,単勝170円に支持された前走のアーリントンCで8着。道中折り合えず,無駄なスタミナを消耗したのが敗因だろう。母がエアグルーヴで,姉にアドマイヤグルーヴを持つ良血馬。力を出し切れば上位争いに加わっても当然だ。