今年の牝馬ナンバーワン決定戦。“女傑”といわれているウオッカとダイワスカーレットの参戦がないのは残念だが,なかなかの好メーバーがそろった。
過去10年,連対馬は2??5,2??7,3??1,4??2,1??2,2??1,2??5,2??5,7??2,1??3番人気の組み合わせで決まった。
1番人気は4連対,3番人が2連対と不振だが,それを2番人気が8連対でカバーしている。
馬連配当は3けた??2000円台6回,3000円??5000円台4回。極端な人気薄の台頭はなく,ここまで万馬券は出ていない。しかし,過去4回の3連単配当は5万3750円,1万7500円,9万2970円,6290円。昨年こそ4けた配当で堅く収まったが,一昨年まではすべて万馬券で決着。波乱を視野に入れた馬券検討が必要だ。
ステップは秋華賞組7連対,府中牝馬S組6連対,天皇賞(秋)組3連対の順。なお,最多連対の秋華賞組は5,2,1,2,1,3,1着から本番で連対を果たしている。
また,重賞実績を見てみると,連対馬20頭中16頭が桜花賞,オークス,秋華賞の1,2着馬。3歳G1戦線で活躍した馬が連対の8割を占めている。今年はエフティマイア,カワカミプリンセス,ベッラレイア,ムードインディゴ,レインダンス,レジネッタの6頭がこの条件を満たしている。なお,該当しない4頭は古馬の重賞で2勝以上を挙げていた。人気を集めそうなポルトフィーノと外国馬トレラビットは上記2条件をクリアーできず,データからは苦戦しそうだ。
◎…ベッラレイアは府中牝馬Sで上がり33秒3の末脚で3着。上位2頭には及ばなかったが,4カ月ぶりを感じさせない鋭い決め手を発揮した。昨年のオークスでは1番人気に支持されながらハナ差の2着。同期のダイワスカーレット,ウオッカと好勝負をしていた。2強不在なら女王の座を射止めるチャンス。
○…相手はムードインディゴ。秋の2戦は追い込んでいずれも2着だが,ローズSが道悪で,前走の秋華賞は良馬場。馬場状態に左右されないのは大きな強み。距離延長,直線の長い外回りも望むところだ。
▲…カワカミプリンセスは一昨年,このレースで1着から12着に降着となったが,それまでは圧倒的な強さで牝馬の頂点に立っていた。前走の府中牝馬Sでは勝ち切れなかったが,半馬身差の2着に入り,復調をアピールした。すんなりと勝ち上がっても驚けない。
△1…エフティマイアは桜花賞,オークスとも2着。あとひと押しが利かずにタイトルを奪取できずにいるが,3歳世代でトップ級の破壊力を秘めている。古馬相手でも展開ひとつで勝ち負けできるポジションにいる。
△2…前走の秋華賞でレジネッタは先行馬を見ながらの理想的な競馬。この馬の勝ちパターンに持ち込んで追い出したが,いつもの伸びが見られずに8着に敗れた。今年の桜花賞馬で,オークスでも3着。3歳世代トップの末脚を秘めている。
△3…アルコセニョーラは2走前に長くいい脚を使って新潟記念を快勝した。前走の府中牝馬Sでは決め手を生かし切れず8着に敗れたが,着差は0秒5。着順ほど大きく離されてはいない。道中で脚をタメられれば大駆けがある。