変則2冠馬ディープスカイが天皇賞・秋に矛先を変えたため,皐月賞馬もダービー馬も不在の混戦となった。
10月に日程が繰り上がって行われた過去8年,連対馬は2??3,6??11,10??16,5??4,8??4,1??6,8??2,4??6番人気の組み合わせで決まった。1番人気は1連対と不振で,2,3番人気も2,1連対と精彩を欠いている。上位人気はアテにならず,代わりに6番人気以下の伏兵馬が8連対している。
馬連配当は1580円,4万6210円,9万6070円,5540円,1万1280円,1290円,6480円,2930円。3けた配当で収まったことはなく,万馬券が3回も飛び出す大荒れ。穴党には願ってもないレースとなっている。
連対馬のクラス別は,重賞組14頭と1000万下組2頭。格上挑戦の1000万下組が連に絡んだ01年と04年はいずれも万馬券決着となっている。ステップは9連対の神戸新聞杯組がトップで,3連対のセントライト記念組などを大きくリードしている。
1??4勝以上馬(地方馬と地方からの転入馬を除く)が,9,53,55,18頭出走して,それぞれ0,6,9,1連対。連対率はそれぞれ0,11,16,6%。1勝馬の不振は納得できるものの,気になるのが4勝以上馬の不調だ。昨年もロックドゥカンブ(1番人気,3着),ドリームジャーニー(2番人気,5着),フサイチホウオー(5番人気,8着)の3頭が出走したが,人気になりながら,いずれも連対できなかった。なお,今年はマイネルチャールズとシゲルフセルトの2頭が該当する。
◎…スマイルジャックは10戦して,2勝,2着4回,3着2回の実績。馬券対象外だったのは折り合いを欠いた皐月賞と休み明けの前走,神戸新聞杯の2回だけ。距離は未知数だが,安定感抜群。前半リラックスして走れれば「菊」奪取のチャンスだ。
○…オウケンブルースリはダービー翌週の6月8日から4カ月半で「菊」獲りの舞台まで一気に駆け上がった。この夏一番の上がり馬。前走の神戸新聞杯3着で連勝は途切れたが,上位2頭の回避で俄然勝機が広がった。
▲…ダイワワイルドボアは前走,関東のトライアル・セントライト記念を制した。2走前にオウケンブルースリに3馬身半置かれたのは,直線で気を抜いた分が着差に出た。距離延長は好材料,末脚勝負になれば逆転も視野に入る。
△1…G1タイトルにまだ手が届いていないマイネルチャールズだが,3歳牡馬戦線の王道を歩いてきた。前走のセントライト記念でも直線の激しいたたき合いの中,2着を確保した。ラスト1冠を射止める能力を十分に秘めている。
△2…ベンチャーナインは秋始動の神戸新聞杯で,0秒4差の4着。4カ月ぶりの休養明け,出遅れを考えれば上々の結果だった。追い込み脚質で展開に左右されるが,折り合って脚をためれば上位争いに食い込める。
△3…穴を出せばヤマニンキングリーだ。2歳時にこの京都コースの黄菊賞で,後のオークス馬トールポピーを鮮やかに差し切った。春のクラシックには乗れなかったが,「菊」の前哨戦の神戸新聞杯で0秒7差の8着。得意の舞台で大駆けがあっても驚けない。