ファン投票1位のウオッカと3歳馬のエース・ディープスカイが回避したのは残念だが,08年の中央競馬を締めくくるにふさわしい豪華メンバーが顔をそろえた。
過去10年,連対馬は1??5番人気の6,3,3,3,1連対と,6,9番人気各1連対,13番人気2連対。昨年のマツリダゴッホを除けば,勝ち馬は4番人気以内から出ている。
馬連配当は13番人気が2着に食い込んだ01,02年と,上位3番人気がそろって連から消えた昨年で万馬券決着となった。しかし,残る7回は3けた??1000台6回と4430円。堅いか荒れるかの両極端の傾向を示している。
連対馬20頭はすべて重賞をステップに出走。G1組17頭,G2組2頭,G3組1頭。G1組が連対の85%を占めている。
路線別はジャパンC組が9連対でトップ。菊花賞組3連対,天皇賞(秋)組2連対の順。しかし,2走前を見ると7頭が天皇賞(秋)に出走しており,これを直行組の2頭に加えるとジャパンC組と同数の9連対。天皇賞(秋)組も不気味な存在だ。
アメリカンボス(01年),タップダンスシチー(02年),マツリダゴッホ(07年)の3頭を除く,連対馬17頭にG1の連対実績があり,うち16頭は芝2000M以上の距離で連対していた。
年齢別は3??7歳上馬が,36,35,40,21,13頭出走して,6,10,2,1,1連対。4歳馬が他世代をリードしている。
牡馬VS牝馬は132頭と13頭で争い,19対1。牝馬は出走が少ないこともあるが,ここまでは苦戦している。
◎…マツリダゴッホは今年,3月に日経賞を快勝。香港遠征では6着と敗れたが,帰国初戦の札幌記念で2着。続くオールカマーを59キロで制して,中山で5個目の重賞を獲得した。前走・ジャパンCは苦手の左回りで4着に敗れたが,0秒2の小差。昨年は9番人気の伏兵にすぎなかった馬がこの1年で豹変した。得意の右回りに戻ればグランプリ連覇は濃厚と見た。
○…相手にアルナスラインを抜擢する。前走・アルゼンチン共和国杯でスクリーンヒーローの0秒2差の3着と敗れたが,ハンデ戦で斤量は58キロ対53キロ。5キロ差が大きく影響していた。しかし,今回は同量の57キロで,鞍上も有馬記念3勝のペリエなら首位を脅かせる存在だ。
▲…スクリーンヒーローはジャパンCで世界の強豪を一蹴してG1を制覇した。驚きの新星誕生となったが,3歳時にラジオNIKKEI賞2着,セントライト記念3着の素質馬。長期休養で出世が遅れていたが,ようやく本格化したようだ。中山に勝ち星はないが,前走のようなしぶとい競馬ができればチャンスはある。
△1…ダイワスカーレットはここまで11戦して,7勝2着4回。いまだパーフェクト連対で,G1レース3勝の実績を誇る。前々で立ち回れる脚質も中山コース向き。ただ,気になるのは距離2500Mと55キロ。昨年は53キロの斤量で2着に健闘したが,牡馬一線級を相手に55キロは厳しいとみた。
△2…過去10年でその年の菊花賞1,2着馬が3連対。フローテーションは今年の菊花賞2着馬で,前走・ステイヤーズSでも果敢に逃げてクビ差2着に健闘した。思えば,05年のグランプリ馬・ハーツクライは「ルメール+橋口厩舎」のコンビだった。一度あることは二度……。大駆けが期待できる。
△3…アサクサキングスは天皇賞(秋),ジャパンCとも8着。あと一歩伸び切れずにいるが,菊花賞を制するスタミナを秘めている。今回は人気薄の気楽な立場で,鞍上に主戦の四位騎手が戻った。無欲の一発を警戒したい。