世界の強豪が勢ぞろいする国際G1競走だが,近年は外国馬の参戦が減る傾向にある。一昨年2頭,昨年4頭,今年が4頭。しかし,今年は日本馬に注目のG1馬がそろい,「最強日本馬決定戦」ともいえる豪華メンバーで激戦が繰り広げられる。
過去10年のデータでレース傾向を見てみたい(02年は中山競馬,芝2200M)。
連対馬は3??2,2??12,1??5,2??1,9??11,4??5,1??2,3??2,1??5,5??4番人気も組み合わせで決着した。1番人気は4連対と不振で,2,3番人気も5,2連対とほめられる成績ではないが,伏兵馬の連対は9,11,12番人気の3頭だけ。連対馬の85%を5番人気以内が占められいる。
馬連配当は
3けた…………3回
1000円台…2回
3000円台…2回
7000円台…1回
2万馬券………2回
99,02年と2度万馬券が出ているが,東京競馬場の改修工事で中山開催だった02年を例外と見れば,荒れたのは2回。7回は4000円以下で平穏に収まる傾向を見せている。
連対馬の前走は重賞組19頭と条件組1頭。重賞組の内訳は,G1組16頭,G2組2頭,G3組1頭。その時の成績は,G1組が(3,1,1,2,4,2,9,1,1,4,5,6,失格,2,6,4)着。G2組が(2,1)着。G3組と条件組が(4,10)着。連対馬20頭中15頭が前哨戦で掲示板を確保している。
路線別は天皇賞(秋)組8連対,菊花賞組4連対,凱旋門賞組2連対の順。
日本馬VS外国馬は98頭と59頭で争い,16対4。連対率が16%対7%。ホームの利を生かした日本馬が外国馬を圧倒している。なお,今年参戦の外国馬の国別成績では,英国馬が19頭で1勝,米国馬は15頭で2着1回。データからは狙いが立たない。
年齢別は3??7歳以上馬が37,47,38,21,14頭出走して,5,8,4,3,0連対。連対率がそれぞれ14,17,11,14,0%。連対数,率で4歳馬が他世代を一歩リードしている。
牡馬は133頭で19連対(連対率14%),牝馬が24頭で1連対(4%)。牝馬は95??98年に4年連続で2着を確保した時期もあったが,現在は9年連続で連対できずにいる。秋の天皇賞をレコードで制覇し,G1連勝を目指すウオッカには気になる数字だ。
◎…本命にオースミグラスワンを抜擢する。一昨年の重賞初勝利後しばらく低迷していたが,今年の新潟大賞典で復活V。上がり3ハロンを31秒9の驚異的な末脚で駆け抜けた。秋の天皇賞は流れが向かずに7着と敗退したが,勝ったウオッカとはわずか0秒3差。決め手勝負になれば日本一のターボエンジンが爆発する。
○…オウケンブルースリは菊花賞を大外から豪快に差し切って,3冠最後のタイトルを獲得した。神戸新聞杯でディープスカイの3着に敗れたが,わずか0秒1差。リベンジを果たすだけではなく,世界の頂点に立つチャンスも十分にある。
▲…ディープスカイは神戸新聞杯を快勝後,菊花賞をパスして天皇賞(秋)に挑戦して3着。盾取りはかなわなかったが,長くいい脚を使って追い上げた。2400Mはダービー,神戸新聞杯を制した得意の距離。本来の脚をためる競馬に徹すれば大勢逆転も可能だ。
△1…秋始動の毎日王冠でウオッカは2着。たたき2戦目の天皇賞(秋)で,ダイワスカーレットを下してG1レース4勝目を挙げた。牡馬顔負けの馬体と風格で勝ち進んでいるが,気になるのが目に見えない激戦の反動。今回は押さえの評価とした。
△2…トーホウアランは今年2月に長期休養から戦列復帰。秋の朝日チャレンジCで2着に好走し,前走で京都大賞典を鮮やかに差し切った。いい脚を長く使えるタイプで,東京コースはぴったり。人気薄でも軽視は禁物だ。
△3…マツリダゴッホは休養明けの札幌記念で2着に敗れたが,続くオールカマーを59キロで圧勝。グランプリ馬の底力を見せ付けた。左回りに良績がなく東京コースにも勝ち星がないが,本格化した今ならあっさり勝っても驚けない。