春の東京G1シリーズを締めくくるマイル王決定戦。今年も香港から3頭の強豪が殴り込みをかけてきた。
過去10年,1??4番人気は2,2,2,3連対。上位人気はアテにならず,6番人気以下から11頭の伏兵馬が連対している。
馬連配当は3けた1回,1000??5000円台4回,万馬券5回。10回中5回が万馬券となる波乱で,01年には12万馬券が飛び出している。
日本馬のステップは,16頭中7頭が京王杯スプリングC組(外国馬を含めると8頭)で,ほかの路線を大きくリードしている。
一方,外国馬はこの10年で23頭が出走して4連対。うち3頭が香港馬で,前走成績が1,2,1着。前哨戦で好走した馬が連に絡んでいる。
年齢別は3??8歳上馬が0,7,5,5,3,0連対。また,連対率は0,13,9,13,15,0%。4歳馬が7連対でトップだが,率では7歳馬が逆転1位となっている。
関東馬と関西馬はともに76頭が出走して,それぞれ8連対(連対率11%)。外国馬が4連対(同17%)。関東馬と関西馬が全く同数で並んでいるが,勝利数では5対3。関東馬が関西馬をリードしている。
◎…スズカフェニックスはここ2戦で連続3着。いずれも32秒台の強烈な追い込みを見せたが,あとひと押しが利かずに差し切れなかった。サンデーサイレンスから受け継いだ瞬発力で末脚勝負は望むところ。昨年5着のリベンジを果たし,春のマイル王の座を射止めるチャンスだ。
○…前走のウオッカは生涯最低体重の478キロ。ドバイの遠征後で完調に一歩手前だったが,0秒1差の2着とG1馬の意地を見せた。東京はダービーを勝ち,ジャパンC4着。距離がマイルに変わるが,4勝2着2回とパーフェクト連対。これまでの戦績から牡馬の一線級が相手でも全くヒケを取らない。
▲…前走のハイアーゲームはマイラーズCで,カンパニーと0秒3差の4着。手応え良く直線を向いたが,前に壁ができて追い出しが遅れた。1600Mに勝ち星はないが,1800Mで3勝の実績からマイルは十分に守備範囲。全5勝中4勝をあげている東京が舞台なら大駆けがあっても驚けない。
△1…スーパーホーネットは前哨戦の京王杯スプリングCを快勝。上がり33秒0の末脚で2着を0秒3差突き放した。昨秋のマイルCSでダイワメジャーの首差まで迫っている。長距離輸送を考慮して栗東に戻らず美浦トレセンに滞在。万全の態勢で悲願のG1制覇を狙う。
△2…グッドババは国際G1レース2勝を含めて目下5連勝と絶好調。初来日の昨年は前残りで7着と敗れたが,着差は0秒5差。今年はここで勝てばレース賞金のほかにアジアマイルチャレンジのボーナス100万ドル(約1億円)を獲得できる。陣営の本気度にかけてみる手は十分にある。
△3…キストゥヘヴンは06年の桜花賞馬。その後勝ち星から遠ざかっているが,前走の京王杯スプリングCでスーパーホーネットから0秒3差2着。上がり33秒2の末脚でスズカフェニックスに先着している。距離延長はプラス。決め手勝負になれば一気に首位争いに浮上する。