96年にエリザベス女王杯が古馬に開放され,その年に秋の3歳女王決定戦として創設された。過去10年のレースを参考に傾向を探って見たい。
連対馬は1??2,2??14,12??10,10??7,1??2,1??3,2??1,2??5,2??1,2??5番人気の組み合わせで決まった。1,2番人気は5,7連対と好調で,2頭合わせると勝率80.0%,連対率で60.0%を占めている。また,99年と00年に1,2番人気がそろって連を外した以外は,毎年どちらかが連対。伏兵馬の台頭する余地は少ない。
馬連は3けた配当5回,2000円台2回,万馬券3回。98??00年に3年連続で万馬券が出て波乱となったが,近6年はすべて5番人気以内の組み合わせで,馬連も3000円以下で平穏に収まっている。
連対馬の前走は重賞組19頭と900万下(現1000万下)組1頭。条件からの参戦馬は苦戦している。路線別はローズS組が13連対でトップ。そこでの成績は1,1,5,3,14,2,1,2,5,1,3,1,2着。昨年,ローズS組が初めて連から消えたが,それでも馬券圏内の3着に留まっている。ローズS組で掲示板を確保した馬からは目が離せない。
1??5勝上馬が10,84,61,18,5頭出走して,それぞれ0,3,7,5,5連対。連対率は0%,3.6%,11.5%,27.8%,100%。1勝馬は連対したことがなく,2勝馬も連対率3.6%では狙いづらい。連軸には3勝以上馬を据えたい。
◎…ダービー馬VS桜花賞馬の対決ムードに包まれているが,2強にも死角がある。ウオッカはぶっつけで本番というローテーション。ダイワスカーレットには先行脚質で標的にされる危険がある。2頭の強さを十分認めつつも,走ってみなければわからないのが競馬だ。
そこでベッラレイアを本命に推す。武豊騎手と初コンビを組んだ前走ローズSで半馬身差の2着。敗れはしたがメンバー最速の上がり33秒2をトライアルでマークし,本番での逆転の手応えをつかんだはず。2強を前に見ながら直線で一気に差し切る可能性は十分にある。
○…古馬と対戦した宝塚記念でウオッカは8着と敗退。相手も強かったが,渋った馬場で思い通りの走りができなかったようだ。脚部不安が判明して凱旋門賞を断念したが,すぐに国内G1に目標を切り換えて順調に乗り込まれてきた。間隔は開いたが,64年ぶりに牝馬としてダービーを制覇した逸材。同世代同士,まして牝馬戦なら無様なレースはできない。
▲…ダイワスカーレットは前哨戦のローズSを逃げ切った。ゴール前でベッラレイアに半馬身差まで詰め寄られたが,絶妙のペース配分で脚色にまだ余裕があった。久々をたたいた上積みの見込める2戦目。上位2頭をまとめて破れる能力を秘めている。
△1…ローブデコルテはオークスを制覇してアメリカに遠征。米オークスに果敢に挑戦して5着に健闘した。馬インフルエンザの影響で調整が遅れたが,樫の女王の勲章はここでも胸を張れる。力を出し切れば上位争いに肉薄できる。
△2…NHKマイルCを制覇したピンクカメオは,前走ローズSで0秒5差の4着。上がり33秒5の決め手を発揮したが,スローペースで後方から差を詰めるのが精一杯だった。桜花賞14,オークス5着と敗れているが,G1馬の大駆けを警戒したい。
△3…夏の新潟でレインダンスは500万下,1000万下と連勝。勢いに乗って挑戦した前走ローズSでも好位から直線で鋭く伸びて3着を確保した。春に桜花賞6着,オークス7着に敗れているが,瞬発力比べに持ち込めれば出番はある。