今週から6週連続の春G1シリーズがスタートする。第1弾は3200Mでスタミナを競う伝統の天皇賞・春。昨年は単勝110円のディープインパクトが圧勝したが,今年は絶対的な馬が不在で大混戦となった。過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
1??3番人気は5,4,4連対。上位人気から半数以上の連対馬が出ているが,7番人気以下からも6頭が連対している。昨年は1,2番人気の組み合わせで決まって,馬連380円と堅く収まった。が,一昨年までは3年連続で万馬券が飛び出す波乱の決着だった。堅いか荒れるか,見極めが肝心となっている。
ステップは阪神大賞典組が9連対でトップ。次いで5連対の日経賞組,2連対で大阪杯組と大阪??ハンブルクC組が続いている。
距離実績では05年のスズカマンボを除くと,19頭に2400M以上での連対実績があった。また,01年のメイショウドトウ以外は3000M以上に一度は出走している。古馬最高峰の長距離G1戦。連対実績や経験は見逃せないファクターとなっている。
年齢別は4??8歳上馬が52,44,29,17,6頭出走して,11,6,2,1,0連対。4歳馬が半数以上を占めている。
東西対決は,関東馬33頭と関西馬が114頭で争い,4対16。また,連対率はそれぞれ12.1%,14.0%。関東馬は連対数で見劣るが,率ではほぼ互角となっている。
◎…前走のデルタブルースは59キロを背負って手応え十分で直線を迎えたが,内で馬群に包まれて動くに動けず。前が開くと一気に伸びてきたが,脚を余して0秒1差の4着に惜敗した。菊花賞とメルボルンCを制したG1レース2勝馬。得意の京都でロングスパートを決めて,3つ目のタイトルをゲットする。
○…相手は3連勝中の上がり馬ネヴァブション。日経賞は直線でモタれながらもトウショウナイト以下を力でねじ伏せた。2着とは半馬身差だったが,着差以上に強いレース内容。前走より2キロ増の58キロを背負うが,スタミナ豊富で3200Mも大歓迎だ。
▲…トウカイトリックは昨年の9着馬だが,この1年でめきめきと力をつけた。前走の阪神大賞典では3着に敗れたが,メンバー最速の上がりでタイム差なしのアタマ+クビまで追い上げた。3000M以上では3,2,9,2,2,1,3着。長距離戦には絶対の自信を持っている。
△1…休養を挟んでアイポッパーはG2を2連勝と,目下絶好調。7歳馬で大きな上積みは期待できないが,ジワジワと伸びて,抜け出したら抜かせない勝負根性は長距離戦で大きな武器となる。このレースは2度挑戦して3,4着。たたき2戦目でどこまで迫れるか。
△2…メイショウサムソンは前走大阪杯で59キロを背負って,2着以下の追撃を封じた。着差は半馬身だったが,3コーナー過ぎから進出して相手を競り落す強い競馬。2冠を制覇した当時のデキに戻った。ダービーを勝っているが,その後の長距離で4,6,5着。距離3200Mをどうこなすか。
△3…前走のマツリダゴッホは6番手から楽な手応えで追走。4コーナーから早めに進出し,直線で勝ちパターンに持つ込んだと思ったが,ゴール前で後続に交わされて3着。勝ち馬の目標になって,最後のひと踏ん張りを欠いたか。初距離で折り合いを欠かなければ上位争いに食い込める。