前走の秋風Sでは,ハンデ戦らしい激しい接戦の末に2着。不良の馬場コンディションの中,トップハンデを背負っていたことを考慮すれば,アタマ差の惜敗は上々の結果といえるだろう。休養明け後は,先行策も板に付いてきて,成績も堅実。昨年の共同通信杯(G3)で,アドマイヤムーンから0秒3差の4着した実績からも,このクラスで終わる馬ではないはずだ。

休養前のジューンSでは,道悪にめげることなくシッカリと脚を伸ばして2着を確保。昇級2戦目ながら早速クラスにメドを立てた。今回は5カ月ぶりの競馬となるが,前回の勝利が休み明けだったように,鉄砲は利くタイプ。3勝を挙げている好相性の府中コースが舞台なら,初戦からマークが必要だ。

同条件で行われた過去4回,連対馬は1??7,1??4,5??4,5??2番人気の組み合わせで決着した。1番人気は2勝を挙げているが,連から消えた2回は8,4着と,いずれも馬券圏外だった。

馬連は4680円,760円,1970円,3070円。極端な人気薄馬の連対はなく,ここまでは比較的平穏に収まっている。

連対馬8頭はすべて芝を使っての出走で,距離は1500??1600Mの7頭と2000Mの1頭。マイル以上からの参戦馬は苦戦している。

ステップは京成杯オータムH組が3連対を果たしているが,今年はこの組からの出走はなく,注目する路線はない。

年齢別は3??7歳以上馬が2,3,1,2,0連対。7歳以上の高齢馬は苦戦している。

性別は牡馬が45頭出走して6連対(連対率13．3％),牝馬が6頭で2連対(同33．3％)。連対率で牡馬を上回っている牝馬から目が離せない。関東馬VS関西馬は45頭と6頭で争い,8対0。関東馬が関西馬を圧倒している。

◎…ムラマサノヨートーは前走12着に敗退。昇級初戦,距離も1ハロン長く,さらに不良馬場と悪条件が重なった。今回はクラス2戦目,2勝している得意のマイル,予報から良馬場と,条件がすべて好転。NHKマイルC(G1)3着の舞台で巻き返す。

○…昇級初戦の秋風Sでショウナンタキオンはアタマ差の2着。新潟2歳Sを制覇した実力から前走ぐらい走っても不思議はない。たたき2戦目。本格化すればこのクラスに留まる器ではない。

▲…トウカイオスカーはマイル戦の前走で,上がり33秒4の決め手を発揮して差し切った。春と比べると馬体も一回り成長し,切れ味も一段と増した。準オープンに昇級するが,瞬発力はここでも通用する。

△1…カフェベネチアンは休養前に準オープンで2着の実績。約5カ月ぶりは気になるが,マイルは2勝で,東京の芝も3勝,2着3回と得意にしている。現級で能力が通用することも確認済み。久々でも警戒したい。

△2…休養明けの前走でダンスフォーウィンは1000万下をハナ差で差し切った。距離は3勝している1400Mがベストだろうが,マイルでも1勝。春に現級で健闘した経験を生かせれば上位争いに加われる。

△3…ワイルドファイヤーは前走,4カ月ぶりと不良馬がこたえて12着に惨敗した。今年2月に東京で行われたバレンタインSにおいては好位につける競馬で現級3着。たたいた上積みは大きく,積極策に出れば大駆けがあってもおかしくない。