東京競馬場のG1レース5連戦を締めくくる春のマイル王決定戦。昨年は香港勢が1,3着に入り,日本馬アサクサデンエンが2着。馬連は1万2770円の万馬券で決着し,3連単も28万8270円の大荒れだった。
今年もその香港から強力なマイル巧者が4頭参戦する。過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
連対馬は,1??5,1??8,4??1,10??6,9??15,7??2,4??6,6??4,7??10,3??10番人気の組み合わせで決着した。1番人気は2勝2着1回と不振で,2,3番人気もそれぞれ1連対。代わりに,6番人気以下の伏兵馬が11連対を果たしている。
馬連は3けた配当1回,1000円台2回,3000円台と5000円台が各1回,万馬券5回。半数の5回が万馬券でわかるように一筋縄では収まりそうにもない。
ステップは京王杯スプリングC組が9連対でトップ。2連対で続く他路線組を圧倒している。
年齢別は3??7歳上馬が3,56,54,40,22頭出走して,それぞれ0,7,5,5,3連対。連対数で4歳馬が一歩リードしているが,率では4,6,7歳上馬が横一線で並んでいる。
関東馬は9連対,関西馬が7連対,外国馬4連対。外国馬が健闘しているが,4連対のうち3連対は香港馬が挙げている。その香港馬はここ10年で14頭が来日し,2勝2着1回。連対率でも21.4%の好成績を挙げている。
なお,連対した日本馬16頭に限ると,13頭は芝1400??1600Mの重賞ウイナーで,12頭がG1の芝1200??2000Mでの連対経験があった。
◎…前走のヴィクトリアマイルでディアデラノビアは,中団待機から直線内から伸びたが6着。前の止まらない流れで掲示板を外したが,0秒3差なら悲観する内容ではない。年明け初戦の京都牝馬Sで後続を4馬身ちぎって楽勝した。今回は牡馬一線級が相手となるが,決め手は互角以上。2キロ差を生かし切れば勝てる。
○…相手はジョイフルウィナー。前走地元のチャンピオンズマイルでエイブルワンの2着に敗れたが,先行有利の流れの中を後方から1頭だけ際立った脚で追い込んだ。昨年はダイワメジャーに先着し,2着アサクサデンエンとはハナ差の3着。東京コースとは相性がよく,リベンジを果たすチャンスだ。
▲…初の海外遠征ドバイデューティフリーでダイワメジャーは3着と健闘した。帰国後の初戦になるが,マイルは8戦して3勝,2着3回(連対率75.0%)と最も得意にしている。2カ月と間隔は開いたが,能力さえ出し切れば4つ目のG1を奪取できる。
△1…スズカフェニックスは高松宮記念から予定通りG1連勝を狙う。4月からここを目標にじっくりと乗り込まれて調教量に不足はない。ただ,その年に高松宮記念を勝ってここに出走した馬は00年から5頭いるが,成績は3??14着と不振。G1連勝のハードルは高く,能力上位を認めても押さえが妥当だ。
△2…エアシェイディは前走阪神への長距離輸送で馬体が18キロ減った。もともと輸送に弱いところがあり,前走11着はやむ負えない結果か。東京コースは相性が良く,7戦して4勝,2着3回とパーフェクト連対。一瞬の脚しか使えないが,東京新聞杯2着の実績からノーマークにはできない。
△3…エイシンドーバーは前哨戦の京王杯SCを1分20秒0のレコードで快勝した。昨年の安田記念は12着に敗れたが,以前は精神的に弱いところがあり力を出し切れなかった。1400Mがベストとの印象もあるが,春G1で活躍中の福永騎手が鞍上なら大駆けが期待できる。