桜花賞のダイワスカーレットが発熱で出走を回避し,2着のウオッカがダービーに出走する。桜花賞1,2着馬が不在のオークスは,開催が春になった53年以来はじめて。今年の春G1シリーズは皐月賞から4戦連続で馬連が万馬券で決着して,3連単も100万超え馬券が3回も飛び出している。このレースも波乱のマグマを蓄積している。早速,過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
連対馬は2??13,7??2,7??1,1??5,5??4,4??12,2??13,6??4,1??2,3??5番人気の組み合わせで決まった。
1??3番人気は3,4,1連対で,上位人気の信頼度はいまいち。代わりに6番人気以下から6頭が連対している。馬連は一昨年630円と堅く収まったが,9回は万馬券4回を含める4けた以上の高配当。波乱前提の馬券検討が必要だ。
前走のクラスは,重賞17頭,オープン特別3頭。条件からの直行馬は1頭もいない。路線別は桜花賞組が15連対で,フローラS組と忘れな草組が2連対で続いている。最多連対の桜花賞組はそこで2,3,6,3,3,1,6,7,1,12,7,5,2,4,14着。半数以上の8頭は前走馬券圏外の4着から巻き返している。
勝利数別では1??4勝馬がそれぞれ1,11,6,2連対。1勝馬は38頭出走して98年にエアデジャヴーが2着に食い込んでいるが,連対率2.6%では強気に推せない。
キャリアは3??9戦の範囲でそれぞれ1,6,2,4,4,2,1連対。キャリア3戦馬は昨年無敗で2冠を制覇したカワカミプリンセスで,9戦馬は10年前のナナヨーウイングと少し古い記録。キャリア4??8戦馬に絞って狙いたい。
関東馬VS関西馬は6対14。関西馬が大きくリードしているが,優勝馬に限ると4対6とあまり差はない。なお,関西馬は目下24年連続で連対している。
◎…ローブデコルテは桜花賞で出遅れて後方からの競馬。直線内を突いてレース最速の上がり3ハロン33秒5の脚を使って4着まで迫った。ダイワスカーレットには5馬身離されたが,スタートを決めていれば差はもっと詰まっていた。ジリ脚だけに距離延長は望むところで,直線の長い東京コースも大歓迎。G1奪取のチャンスとみた。
○…前走の忘れな草賞でザレマは2着以下を2馬身ちぎって圧勝した。勝負どころから進出して長くいい脚を使える持久力は,東京の2400Mの舞台にぴったり。初めての強敵相手になるが,折り合いを欠かなければ好勝負が期待できる。
▲…ベッラレイアは前走フローラSを強烈な末脚で差し切って4戦3勝。後方で脚をためて直線でジワジワと伸びるレースぶりから2400Mへ距離延長はプラスになる。前走のトライアル激走の反動が出なければ首位争いになる。
△1…カタマチボタンは1600M戦を6戦して,1着2回,2着2回,3着2回。すべて馬券対象となる好走で,まだ底を見せていない。距離延長は課題になるが,桜花賞3着はこのメンバーで威張れる成績。流れに乗れば押し切るパワーを秘めている。
△2…ハロースピードは出遅れたスイートピーSで3着。発馬で後手を踏んで,前残りの流れの中で0秒1差はほめていい。ここまで強敵相手にもまれてきた経験は強みで,この距離なら多少の出遅れはカバーできる。前の止まる流れになればチャンスはある。
△3…ピンクカメオは前走のNHKマイルCで大外から17頭をごぼう抜きにした。メンバー中唯一の4勝馬。世代トップ級の力量を秘めていることは間違いなく,前走で見せた瞬発力を再び発揮できれば上位争いに浮上する。