今年2回目を迎える古馬牝馬による春の女王決定戦。昨年は18頭立てで行われ,2番人気のダンスインザムードが,直線で抜け出して初代マイル女王に輝いた。2着は外から追い込んできた3番人気のエアメサイア。3着にも後方から差を詰めた4番人気のディアデラノビアが入った。
変則2冠(桜花賞,NHKマイルC)実績を評価されて1番人気に推されたラインクラフトは9着に敗れた。
馬連は上位人気の組み合わせで1000円と堅く収まったが,3連単は1万1650円の高配当となった。
1??3着馬のステップはマイラーズC(2着),阪神牝馬S(2着),マイラーズC(3着)。第1回はG2戦で好走した馬が上位を占めた。
今年は古馬牝馬の重賞が4レース行われたが,連対馬の年齢別は7歳馬が2勝,6歳馬が1勝2着3回。高齢馬が活躍している。しかし,G1の優勝馬に絞って見てみると,89年のジャパンCのホーリックス(ニュージーランド)の6歳が最高。グレード制が導入された84年以降,日本馬で6歳以上の牝馬がG1を制覇した例はない。ちなみにこのレースも昨年,5,4歳馬のワンツーで決着した。馬単や3連単の軸には,4,5歳馬を指名することをお奨めする。
◎…ディアデラノビアは前走の阪神牝馬Sで1400Mを意識し,いつもより前めを追走。その分2走前の京都牝馬Sほど末脚が切れなかったが,3着を確保した。昨年の3着馬で,G1は3着3回の実績。脚質から東京1600Mがベスト。今年こそ女王の座を射止める。
○…カワカミプリンセスは6カ月ぶりのぶっつけで出走。前走のエリザベス女王杯は直線で内側に斜行して1着から12着に降着となったが,2着のフサイチパンドラを1馬身半突き放した。鉄砲で秋華賞を制覇した実績があり,あっさり勝たれても不思議はない。
▲…コイウタは今年に入って見せ場も作れずにいたが,前走のダービー卿CTで一変した。道中中団でじっくりと脚をためて,直線でぐいぐいと伸びて2着を確保した。東京マイルは昨年のクイーンCで重賞初制覇を果たした舞台。復活した実力馬の大駆けが期待できる。
△1…スイープトウショウは牡馬相手に宝塚記念を勝ち,安田記念で2着。決め手とスピードは互角で,休養明けの前走マイラーズCでも2着と地力を見せた。東京への長距離輸送でまた馬場入り,ゲートインに課題は残るが,力を出し切れば4つ目のタイトルに手が届く。
△2…アドマイヤキッスはチューリップ賞を勝ち,桜花賞2着とマイルを得意にしている。前走は4カ月ぶり,牡馬相手で0秒7差の4着に敗れたが,上がり33秒台の末脚を見せた。たたき2戦目の上積みは確実なだけにノーマークにはできない。
△3…アサヒライジングは牝馬の3冠レースで4,3,2着と好走して,エリザベス女王杯でも0秒1差の4着と健闘した。年明けの2戦こそはちぐはぐな競馬で敗退しているが,常にトップクラスの走りを見せてきた。得意の東京コースでリズムに乗れば上位争いに浮上する。