今年は阪神競馬場に新設された外回りコースで行なわれる。旧コースはスタートすると直ぐに2コーナーを迎えるため,外枠が不利といわれてきた。しかし,新コースは発走地点が向こう正面に移り,スタートしてから3コーナーまで444Mの直線を走る。そのため枠順の内外による影響は少なくなる。また,3??4コーナーのカーブも緩やかになり,最後の直線も右回りコースでは日本最長の474Mとなった。従来からゴール前にある高低差1.8Mの坂はそのままだが,器用さでこなせたトリッキーなコースからスピードとスタミナを要求されるタフなコースに生まれ変わった。
さて,阪神ジュベナイルF。過去10年の連対馬は2??3,7??6,3??11,1??3,1??6,7??9,1??11,6??10,8??3,8??9番人気の組み合わせで決まった。1??3番人気は計8連対と不振で,6番人気以下から12頭が連対している。馬連は1000円台2回,3000??8000円台4回,万馬券4回。まだ未完成の2歳馬たちによる重賞戦だけに波乱傾向が強い。
連対馬の前走は重賞組11頭,オープン特別組3頭,500万下組3頭,新馬勝ち組3頭。オープン組が連対馬の7割を占めているが,500万下からも6頭が連対。クラスを気にする必要はない。
前走成績は連対馬20頭中,11頭が1着で,3着4頭,5着以下5頭。馬券対象外となった5頭はすべて重賞からの参戦馬だった。ステップは6連対のファンタジーSが他路線を圧倒。札幌2歳S組が2連対で続いている。
キャリアは,1??5戦馬の3,4,6,4,2連対と7戦馬の1連対。キャリア5戦以内が理想となっている。
また,初勝利を見ると,15頭がデビュー戦を勝ち,2戦4頭,3戦1頭。2戦以内で初勝利を上げていることが連対条件になる。
勝利数別は1勝馬が5連対,2勝馬12連対,3勝馬3連対。1勝を挙げていれば連対はOKだが,優勝したのは一昨年のショウナンパントルただ1頭。馬単,3連単を狙うなら2勝以上馬を軸に指名したい。
関東馬VS関西馬は34頭と126頭で争い,6対14。連対率が17.6%と11.1%。連対数で関西馬がリードしているが,率で関東馬が逆転している。
◎…ルミナスハーバーは新馬戦でクビ差2着。デビュー戦で勝利を逃したが,次走の未勝利(芝1600M)で後続を7馬身離してレコード勝ちし,前走の500万下も2馬身半差で楽勝した。重賞は初挑戦になるが,ここでも十分に通用するスピードを秘めている。
○…前走ファンタジーSでアストンマーチャンは,直線だけで2着以下を5馬身ちぎってレコードVで圧勝した。けた違いのスピードを備えているだけにマイルでの折り合いがポイントになるが,4連勝でG1制覇のチャンス十分だ。
▲…イクスキューズは福島でデビュー戦を楽勝し,続くクローバー賞(オープン)をレコード勝ちした。ファンタジーSでアストンマーチャンの5馬身差2着に敗れたが,前走の一戦だけでは見切れない。
△1…ハロースピードもファンタジーSでアストンマーチャンの3着に敗れた。スタートで後手に回り,直線でも前が詰まる不利を受けたが3着に食い下がった。6馬身半差は決定的だが,前走で1番人気に推された素質馬。スムーズな流れで反撃があっても不思議はない。
△2…ピンクカメオは3カ月ぶりだったが,前走でくるみ賞(500万下)を快勝した。切れる脚はないが長くいい脚を使って見せた。距離延長は好材料で,G1レース2勝の兄ブラックホークの血も後押しする。
△3…ウオッカはデビュー戦を逃げて2着以下に3馬身半差をつけて楽勝した。前走は一転して後方で脚をためる待機策。スローペースの最後方から追い込む競馬で2着を確保した。キャリアの浅い2歳馬が味な競馬。このメンバーでも素質は見劣りしない。