牝馬のクラシック第1弾は桜花賞。今年は絶対的な存在がいない混戦で,先週のダービー卿チャレンジTのような125万超の大万馬券が飛び出してもおかしくない。過去10年のレースで傾向を見てみたい。
1??3番人気は4,4,1連対。上位人気はお世辞にもほめられる成績ではなく,代わりに6番人気以下から6頭が連に絡んでいる。伏兵馬の健闘で馬連は2度万馬券決着となり,8010円や9210円の高配当も出ている。
連対馬20頭中15頭が前走トライアル戦から出走。内訳はチューリップ賞組が8連対,フィリーズレビュー組5連対,アネモネS組2連対。別路線組ではフラワーC組2連対,阪神3歳牝馬S(現阪神ジュベナイルF),クイーンC,500万下組が各1連対となっている。20頭中18頭までが前走4着以内。前哨戦で掲示板を外した馬は苦戦している。
優勝馬10頭のうち中8頭がキャリア3??5戦で,連対馬の20頭中18頭が3??7戦。馬単の軸は5戦以内で,馬連なら7戦以内が理想だ。
関東馬は51頭出走して3連対。関西馬が128頭で17連対。関西馬が関東馬を一蹴しているが,今年の関東馬は例年にない活躍を見せている。ダイワパッションがフィリーズレビューを勝ち,アネモネSはアサヒライジングとグレイスティアラで1,2着を決めた。さらに収得金順位ではアルーリングボイスについでコイウタが第2位と,西下する関東勢4頭は強力だ。
阪神の芝1600Mは「外枠不利」といわれている。そこで,18頭(03年は17頭)で行われた過去10回を1??9番枠と10??18番枠の内枠と外枠に分けて見たところ,1着馬は6対4で,2着馬が2対8。連対数に直すと8対12となり,意外にも外枠が優秀な成績を収めている。「外枠不利」という“定説”はここでは当てはまらない。
◎…前走チューリップ賞4着でテイエムプリキュアは連勝が3でストップした。3カ月ぶり,突然の手替わり(熊沢→上村騎手),道中で馬群に包まれる窮屈な競馬と悪条件が重なったが,直線,2歳女王の意地を見せて0秒6差まで迫った。先週,今週と調教で2週連続で1番時計をマーク。一度使われた上積みも大きく,頂点を射止める確率は高い。
○…コイウタは1600Mの菜の花賞とクイーンCを連勝中で,目下絶好調のデキ。力でねじ伏せるような強さはないが,センスのいい競馬で4勝を挙げてきた。陣営はデリケートな牝馬の体調を考慮して,早々に栗東に入り(3月23日)。万全を期して桜の女王を目指す。
▲…フラワーCでフサイチパンドラは1000Mを59秒3で通過。自ら作ったきついペースで2着に粘った。キストゥヘヴンには1馬身半遅れたが,レース内容は「負けて強し」で,全く悲観するものではない。キャリア2戦の阪神ジュベナイルFで2馬身差3着。G1級の能力を秘めている。
△1…ダイワパッションは4連勝でフィリーズレビューを快勝した。スッと好位に付けれるスピードと好センスの競馬で,とんとん拍子で短距離戦を勝ち進んできた。前走で長距離輸送を克服し,阪神コースを経験している強みはあるが,今回は初のマイル戦。一線級相手の頂点レースだけに楽な戦いになるとは思えず,連下に狙いを下げた。
△2…キストゥヘヴンは格上挑戦の前走で好位から抜け出して,直線で鮮やかに差し切った。ダート2戦はいずれも2着だったが,芝に変わって素質が一気に開花した。ここ2年フラワーCの優勝馬は連続連対しているが,418キロの小柄な馬体でハードなローテーションは気になる材料。抑え評価が妥当か。
△3…アドマイヤキッスは6か月ぶりを感じさせない力走でチューリップ賞を制覇した。休養明けで18キロ増,外々を回るロスを克服してVはお見事。ただ,勝ちタイムの1分36秒5は遅く,2着のシェルズレイともクビ差。たたいた上積みを見込んでも首位争いは厳しいと見た。