00年の番組改編でスプリンターズSが当レースより先に行なわれるようになり,各陣営の臨戦態勢にも大きな変化が現れた。ここでは過去6年のデータでレース傾向を見たみたい。
連対馬は13??1,4??2,11??3,5??2,1??4,3??4番人気の組み合わせで決まった。馬連は1万8050円,2610円,1万5530円,3240円,1050円,3580円。上位1??3番人気は必ず連に絡んでいるが,3けた配当で収まったことは1度もなく,00,02年に万馬券の出る波乱となっている。
連対馬の前走はG1組6頭,G2組3頭,G3組3頭。すべて重賞からの出走で,そこでの成績はG1組が(10,8,1,2,2,7)着。G2組は(1,7,5)着で,G3組が(2,3,5)着だった。2けた着順でなければ巻き返し可能。路線別では天皇賞(秋)組と毎日王冠組が各3連対し,富士S組などが2連対で続いている。
年齢別は3??7歳上馬が,23,26,28,18,10頭出走して,3,6,2,1,0連対。4歳馬が世代をリードし,3歳馬がこれを追っている。
牡馬は89頭出走して10連対,牝馬が16頭で2連対。連対数で牡馬が牝馬を圧倒しているが,連対率では余り差はなく,牝馬にも警戒が必要だ。
関東馬VS関西馬は34頭と69頭で争い,4対8。連対数で関西馬が関東馬を大きくリードしているが,連対率はほぼ互角。東西間格差はさほどない。なお,外国馬は03年と04年に2,1頭出走して,9,16,14着。今年イギリスから来日したコートマスターピースにとっては,気がかりなデータといえる。
◎…マルカシェンクは秋初戦の毎日王冠でダイワメジャーの4着。骨折休養明け,完調手前の状態で0秒2差に健闘した。前走の菊花賞は道中理想的なポジションに付けながら直線で伸びを欠いたのは,やはり3000Mが長かったか。本質的にはマイラーで,距離短縮は大歓迎。G1初勝利を決めるチャンスだ。
○…ダイワメジャーは一昨年の皐月賞を制覇後に不振に陥ったが,ノド鳴りの手術が成功。今年は毎日王冠,天皇賞(秋)を連勝して完全復活をアピールした。マイル重賞は2勝の実績。昨年の雪辱Vも十分にある。
▲…たたき2戦目の前走でキンシャサノキセキは桂川Sを快勝した。勝ちタイムはレコードに0秒1差で,1週前のG2スワンSよりも0秒9も速かった。準オープンを勝ち上がったばかりだが,能力はG1級。格下のイメージは全くない。
△1…ダンスインザムードは毎日王冠2着,天皇賞(秋)6着。2戦連続で敗れているが,マイルは全6勝中で5勝を挙げている得意の距離。このレースは3回目の挑戦で,過去2回は2,4着。あと一歩でタイトルに手が届くところにいる。
△2…連覇を狙うハットトリックは,秋の2戦で12,8着に敗れているが,毎日王冠→天皇賞(秋)→マイルCSは前年と全く同じローテーション。昨年は9,7着から1着に巻き返しているだけに,大駆けには十分警戒したい。
△3…外国馬のコートマスターピースは2走前に英G1のサセックスSで60.5キロを背負って楽勝。5歳で本格化した大器晩成型のマイラーだ。今回は鞍上に世界のデットーリ騎手を指名しての挑戦。日本馬との比較は難しいが,マイルでは大きく崩れたことはない。