00年にトライアルの日程が大幅に見直され,開催時期も2週繰り上がった。10月に行なわれた過去6回のレースから傾向を見てみたい。
1??3番人気はそれぞれ1連対と不振。昨年こそ1番人気のディープインパクトが人気に応えて優勝したが,連対馬の半数を6番人気以下の伏兵馬が占めている。馬連は6回中3回が万馬券となる波乱で,一筋縄では収まらない“最後の1冠”となっている。
連対馬の前走は,重賞組10頭と1000万下組2頭。そこでの成績は1??5着10頭と6,13着。前走で掲示板を確保していることが連対への理想条件になっている。路線別は神戸新聞杯組6連対,セントライト記念組3連対,条件組2連対,札幌記念組1連対の順。東西のトライアル2レースで連対馬75%を占めている。
勝利数は1??5勝上馬が7,45,35,9,1頭出走して,0,5,6,0,1連対。1勝馬の不振は理解できるが,4勝馬の不調ぶりは気になるところ。今年参戦のアドマイヤメインとフサイチジャンクは,4勝馬初の連対を果たすことができるか。
連対馬12頭中8頭が,皐月賞かダービーのどちらかに出走し,2頭が連対している。また,全馬が芝の2200M以上に1度は出走して,うち11頭が馬券対象の3着以内に入線している。クラシック経験や長距離実績も見逃せないファクターとなっている。
昨年は7戦全勝でディープインパクトが菊花賞を制覇。84年のシンボリルドルフ以来史上2頭目の無敗3冠が誕生した。今年は“無敗”とはいかないが,メイショウサムソンが史上7頭目の偉業達成にチャレンジする。ここまで菊花賞で3冠を目指した馬は13頭。そのうちセントライト(41年),シンザン(64年),ミスターシービー(83年),シンボリルドルフ(84年),ナリタブライアン(94年),ディープインパクト(05年)の6頭が,3冠馬の歴史にその名を刻んでいる。
◎…ドリームパスポートは神戸新聞杯でメイショウサムソンを差し切った。道中じっくりと脚をため,勝負どころから進出すると直線で大外から一気に弾けた。着差はクビでも内と外のコース取りを考えると圧勝といえる。皐月賞2着,ダービー3着と2冠馬に敗れているが,最後の1冠でリベンジを果たす。
○…相手はダービー2着のアドマイヤメイン。神戸新聞杯はハナを奪えず,勝負どころでも狭まる不利で7着に敗れたが,一番の敗因は急仕上げにあったようだ。春に2400Mの青葉賞を逃げ切っているように,ゆったりとレースを進められ3000Mは大歓迎。好枠5番からあっさりと逃げ切っても不思議はない。
▲…史上7頭目の偉業に王手をかけているメイショウサムソン。前走の神戸新聞杯は道中かかりぱなしだったが,直線でしぶとく伸びて2冠馬の意地を見せた。距離延長はOKだが,石橋守騎手にかかるプレッシャーが心配。平常心で騎乗できれば3冠達成のチャンスは十分なのだが…。
△1…秋始動のセントライト記念でフサイチジャンクは6着。出遅れ,4コーナーで落馬のあおりを受けてたが0秒4差の6着に踏み留まった。03年のセレクトセールで当時の最高額となる3億3000万円で落札された良血馬。春2冠は3着,11着に敗れたが,ラスト1冠で大駆けがあっても驚けない。
△2…ミストラルクルーズは夏をリフレッシュに当て,秋初戦のセントライト記念で3着。4カ月ぶりだったが,中団の内から力強く伸びて菊花賞への出走権を取った。3000Mは未知数だが,一度使った上積みは大きく,長くいい脚を使えるだけに長距離戦は歓迎のはず。バテない強みを生かして積極策にでれば上位争いに浮上する。
△3…天皇賞(秋)との両にらみだった瀬戸口厩舎のマルカシェンクが,メイショウサムソンとの2頭出しで出走してきた。前走の毎日王冠は骨折明けだったが,古馬の一線級を相手に0秒2差の4着と互角に渡り合った。ダービー4着から距離には問題はなく,上昇度にかける手はある。