今年は阪神競馬場が改修工事中のため京都競馬場で行なわれるが,過去10年のデータでレース傾向を見てみたい。
1番人気は8連対と抜群の成績で,2??4番人気もそれぞれ2連対。上位人気の活躍で馬連7回は2000円以内で収まっている。ただ,6番人気以下からも6頭が連対し,03年と05年に万馬券が飛び出している。堅いか荒れるかの両極端の傾向を見せている。
連対馬20頭すべてが前走5着以内で,うち15頭は前走でも連に絡んでいた。前哨戦で掲示板を確保していることが連対条件となっている。
ステップは9連対の天皇賞(春)組がトップで,金鯱賞組6連対,安田記念組3連対,目黒記念組と鳴尾記念組が各1連対で続いている。
重賞実績は連対馬17頭にG1出走経験があり,9頭がG1馬で,2着が6頭。未経験馬の3頭中2頭はG2を勝ち,残る1頭が2着。G2以上で1度は連対していることが要求される。
3??7歳上馬が6,48,43,18,17頭出走して,0,14,5,0,1連対。4歳馬が他世代を大きくリードしている。
◎…レコードで制した天皇賞(春)の強さを見ると,3冠馬ディープインパクトに逆らうのは無謀といわれそうだが,やってみなければわからないのが競馬。わずかの可能性にかけてアイポッパーで勝負する。昨年は阪神大賞典2着,続く天皇賞(春)3着。重賞勝ちこそないがハイレベルのG1,2で上位争いをしている。その後オーストラリア遠征のG1で,2着,12着となったが,大敗した2戦目は苦手の重馬場。同馬にとっては不運だった。帰国後,6,4,2着と成績を上げ,今がピークの状態。目黒記念(2着)はトップハンデで勝った馬とは3.5キロの斤量差があった。京都は4勝している得意の舞台。大駆けに期待した。
○…相手は10戦9勝,2着1回の4冠馬ディープインパクト。死角らしい死角はなく,改めて強さを説明する必要はない。唯一,気になるとすれば体調面だろうが,ここを目標に仕上げられてきただけに強調材料にはならない。無事に走ってくれば壮行レースを快勝して5冠を達成。10月1日にパリのロンシャン競馬場(仏国)で行われる凱旋門賞へ向かう確率は高い。
▲…前走リンカーンはディープインパクトの3馬身半差2着に敗れたが,従来のレコードより0秒4速いタイムで,3着以下を5馬身ちぎっている。京都コースは8戦して2勝,2着4回と相性がよく,距離短縮も好材料。打倒4冠馬の一角を占めている。
△1…トウカイカムカムは天皇賞(春)で5着に敗れた。1秒7差は決定的だが,勝負どころでいったん11番手に下げ,直線で盛り返して次走につながる力走を見せた。420キロ台の小型馬だが勝負根性は抜群で,58キロのトップハンデを背負って1000万下で快勝している。首位争いは無理でも2着争いなら十分ある。
△2…2番人気に推された安田記念で4着と期待を裏切ったダイワメジャー。3番手のインで追走し直線にかけたが,決め手の差で首位争いには至らなかった。中2週の強行日程になるが激走の疲れはなく,良績の集中する右回りだけに連下には押さえたい。
△3…前走コスモバルクは国際G1のシンガポール航空国際Cを快勝した。ウイルス感染の疑いで帰国が遅れるハプニングがあったが,大事には至らなかったようだ。2200Mのセントライト記念をレコード勝ち,京都コースでも菊花賞で0秒3差4着の実績がある。最近はかかる癖もなくなり,能力を出し切れば上位進出は可能だ。