昨年はディープインパクト1頭に注目が集まったが,今年は重賞ウイナー9頭が出走する混戦クラシックとなった。過去10年のレースで傾向を探ってみたい。
連対馬は4??1,11??10,2??3,5??6,2??1,1??3,15??8,1??2,10??1,1??12番人気の組み合わせで決着した。1番人気は6連対とやや頼りなく見える成績だが,10年で8回は3着以内の馬券対象になっている。ただ,6番人気以下から7頭が連に絡み,馬連で5万馬券が2度も飛び出す大荒れ。伏兵馬の突っ込みを警戒したい。
連対馬の前走は重賞組15頭とオープン特別組5頭。路線別で最も相性のいいのは8連対の弥生賞組で,次いでスプリングS組と若葉S組がそれぞれ5連対。残る2頭が毎日杯組とアーリントンC組だった。
勝利数別では1??5勝馬が2,7,7,3,1連対。一昨年,昨年と1勝馬の連対が続いたが,これは異例のことで,。ここ10年で16頭の1勝馬が挑戦したが,13頭が6着以下に凡走している。2勝以上を挙げていることが,連対への条件と考えておきたい。
関東馬は64頭出走して6連対(連対率9.4%),関西馬が114頭で13連対(同11.4%)。関西馬が関東馬を大きくリードし,関西馬のワンツーも5回あった。なお,一昨年,地方馬所属でコスモバルクが初めて連に絡んでいる。
キャリアは3??8戦馬がそれぞれ4,3,5,3,2,3連対。今年,キャリア2戦以下の馬は見られないが,ゴウゴウキリシマ,ディープエアー,ニシノアンサー,メイショウサムソンの4頭の戦績が9戦以上。キャリア過多の馬は歓迎できない。
◎…弥生賞のサクラメガワンダーは久々の影響か,返し馬からテンションが高く,スタートを決めれず最後方。3コーナー手前から一気に進出して,いったんアドマイヤムーンの外に並びかけた。しかし,早目に脚を使った分,直線伸びず4着に敗れた。今回は安藤勝騎手から大井競馬の内田博騎手に乗り替わるが,内田博騎手は今年JRAで27勝(14日現在)を挙げて関東リーディング3位の今一番乗れているジョッキー。休養明け2戦目の上積みが見込め,中山への遠征も2度目。逆転のチャンスは十分にある。
○…相手は武豊の選んだアドマイヤムーン。ここまで6戦して,5勝,2着1回。重賞3勝の実績と完成度で一歩リードしているともいえるが,17頭の目標になる厳しい展開になることは間違いなく,さらに当日の天気予報は雨。飛びのきれいな馬だけに道悪馬場になると末脚に狂いが起きても不思議はない。
▲…前走アーリントンCでステキシンスケクンは2コーナーでハナを奪うとマイペースに持ち込みそのまま押し切った。非凡なスピードで2勝,2着2回。荒削りな面はあるが,レースを重ねるごとに心身ともに成長している。2000M戦は初めてになるが,小回りの中山コースで逃げ切るシーンはある。
△1…ディープエアーは弥生賞で直線馬群を割って3着に食い込んだ。アドマイヤムーンに3馬身半離されたが,スローペースの4コーナー最後方から際立った末脚を見せつけた。追い込み一辺倒の脚質で展開に注文は付くが,はまれば一発が決まる。
△2…前走スプリングSでメイショウサムソンは好位2番手から追走。直線で先頭に立ったところを内からドリームパスポートに交わされたが,そこから二枚腰を発揮して差し返し,外から追い込んだフサイチリシャールをクビ差退けた。勝ちタイムは目立たないが,能力はG1級。混戦になれば侮れない。
△3…フサイチジャンクは4戦無敗で本番に駒を進めてきた。すべて2000M戦で距離実績だけなら一番だろう。ただ,今回は一気に相手が強化され,持ちタイム2分2秒8も決してほめれる時計ではない。能力より人気先行の感が強いここでは連下の評価としたい。