ディープインパクト1強ムードの昨年から一転,今年は大混戦模様となった。03年に誕生した8823頭の頂点に立つのはどの馬か。過去10回のレースから傾向を探ってみたい。
1番人気は9連対で,97年にメジロブライトが連を外した時も3着。馬券対象率100%と堂々の成績を残している。馬連は万馬券が1回あるが,6回は3けた配当で,残る3回も5000円以内。大穴は期待できない。
ステップは皐月賞組が10連対,京都新聞杯組3連対,NHKマイルC組と青葉賞組が2連対。連対馬の20頭中18頭が前走3着以内で,皐月賞組の2頭だけが掲示板を外して巻き返している。
距離実績は,連対馬20頭すべてが2000M以上を経験し,そのうち18頭に連対実績があった。
関東馬は3連対,関西馬が17連対。“西高東低”傾向がはっきり出て,関西馬が強い。
キャリアは4??7戦に16頭が集中。2戦以下(1連対)や9戦以上(3連対)のキャリアの馬は狙いを下げたい。
◎…前走皐月賞でサクラメガワンダーは,スタート後に不利を受けて後方に置かれ,勝負どころでは大外を回るコースロス。上がり3ハロンでレース最速のスピードで追い込んだが6着に敗れた。父が有馬記念を2連覇したようにスタミナは豊富。もともと皐月賞よりダービーが目標で,たたき3戦目で仕上がりはベスト。G1奪取のチャンスは十分にある。
○…ドリームパスポートはここ2戦でメイショウサムソンに3,2着と敗れたが,3走前のきさらぎ賞(G3)では差し切っている。レースぶりが地味で人気にならないが,G1級の能力を秘めている。
▲…アドマイヤメインは500万下から3連勝し,前走でトライアルの青葉S(G2)を制覇した。いずれも完璧な逃げ切り勝ちだった。一線級が相手で目標になる不利はあるが,同舞台を経験しているのは大きな強みだ。
△1…メイショウサムソンはきさらぎ賞(G3)でドリームパスポートに先着を許したが,その後2連勝。2冠に王手をかけた。前2回は4,6番人気の勝利で気楽にレースに臨めたが,今回は相当のプレッシャーがかかるはず。実績はナンバーワンでも,馬券は連下の筆頭に留めたい。
△2…フサイチジャンクは皐月賞3着。勝負どころから伸びを欠いたのは荒れた馬場と初のG1の厳しいペースに戸惑ったようだ。03年のセレクトセールで3億3000万円の超高値で落札された高級馬。関係者の期待は当然大きいが,予報は雨。距離に不安はないが,道悪がポイントになる。
△3…皐月賞で1番人気を裏切ってアドマイヤムーンは4着に敗れた。内を回った馬に有利な馬場で,外枠15番からのスタート。道中外々を回るコースロスと荒れた馬場に末脚を封じられた。距離と道悪は? 実績上位は間違いなく,能力でどこまで上位争いに加われるか。