牝馬の出走チャンスを増やし,牝馬路線の充実を図るために04年に新設された中距離重賞(4歳以上)。今年3回目で歴史は浅いが,過去2回のデータでレース傾向を見てみたい。
過去2回ともフルゲート16頭立てで,連対馬は2??10,1??14番人気の組み合わせで決まった。優勝馬は上位人気が占めているが,2着に人気薄が食い込み,馬連は1万170円,1万7770円と荒れた。
また,3連複も2万4250円・3万9440円(3着同着),4万2840円の高配当。伏兵馬の台頭には警戒を払いたい。
連対馬4頭はすべて重賞からの出走で,路線別は中山牝馬S組(1,2着)が2連対,オークス組(11着)と阪神牝馬S組(13着)が各1連対。2けた着順から2頭が巻き返しているように,前哨戦の成績にこだわる必要はなさそう。出走間隔は1カ月半2頭,4カ月,11カ月。休養明けの馬が活躍している。
年齢別は4??7歳馬が15,12,3,2頭出走して,2,2,0,0連対。高齢馬の出番は少ない。関東馬16頭と関西馬16頭で争い,関西馬が2勝を挙げ,関東馬はいずれも2着だった。
◎…プリンセスグレースの前々走勝ちタイムは,翌日の秋華賞と0秒4差。「やや重」と「良」の馬場差を考慮すれば走破時計は互角以上と見ていい。前走は直線で落馬寸前の不利を受けて14着に敗れたが,G1級の末脚を秘めていることは間違いない。
○…コスモマーベラスは前走中山牝馬Sで4着。今回のメンバーでは最先着している。重賞勝ちはないが,オープンで2着3回の実績がある。芝1800Mも5戦して,1勝,2着3回,4着1回。決め手勝負では辛いが,時計がかかる馬場になればチャンスだ。
▲…重賞2勝を芝1800Mと2000Mで挙げているレクレドール。中山牝馬Sは直線でギアをトップに切り換えた時に,前に壁ができる不利で11着に敗退した。昨年のこのレースの3着馬で,2着と頭差。展開ひとつで勝ち負けになるはずだ。
△1…アズマサンダースは前走の阪神牝馬Sで4着。勝ち馬には離されたが,後方で脚をためて直線で次走につながる追い込みを見せた。04年の桜花賞2着の力量馬。復調さえすればこのメーバーでも差はない。
△2…ライラプスは前走の阪神牝馬Sで10着。2歳時以来の短距離戦で,道中追走するのが精一杯だった。3歳春にクイーンCを制して,ローズSで3着に健闘した力量馬。能力だけ走れば上位争いに食い込んでも不思議はない。
△3…スターリーヘヴンは今年3戦,15,9,12着と精彩を欠いているが,暖かくなって徐々に調子を上げている。昨年このレースで好位3番手からレースを進め,2着に粘った。6歳牝馬で大幅な上積みは望めないが,混戦になれば出番はある。