01年に馬齢表記の変更に伴い,「阪神3歳牝馬S」から「阪神ジュベナイルフィリーズ」にレース名が変わった。ジュベナイルは2歳の意味で,フィリーズとは牝馬のこと。過去10年のデータでレース傾向を探ってみたい。
1番人気は3,4,5,3,1,1,4,1,5,3着。掲示板を外したことはないが,わずか3勝の成績では全幅の信頼はできない。2番人気は1連対,3番人気が5連対。上位人気は不振で,代わりに6番人気以下の伏兵馬が10頭も連対している。馬連はすべて4けた配当で,万馬券も3回飛び出す波乱となっている。
ステップは20頭中12頭が重賞で,オープン特別4頭,500万下と新馬が各2頭。路線別は6連対のファンタジーS組がトップで,次いで札幌2歳S組3連対,いちょうS組2連対。連対馬の8割をオープン以上で占めている。なお,ファンタジーS組の前走成績は1,7,5,5,10,1着。着順に関係なく巻き返している。
出走間隔は中2??4週の範囲に11頭が集中。残る9頭は連闘馬1頭と,1カ月半??4カ月8頭。間隔を明けると調整が難しいと思われる2歳戦だが,休養馬の活躍が目立っている。
阪神のマイル戦はスタートしてすぐに2コーナーを迎える“おむすび型”コース。そのため外枠は不利といわれている。実際にデータを調べてみると,1??9番枠は13連対で,10??18番枠が7連対。外枠は確かに不利と出ている。
◎…フサイチパンドラは評判通りの強さでデビュー戦を圧勝した。スタートは鈍かったが,道中は押さえ切れない手応え。直線で軽く仕掛けると後続を6馬身突き放した。余裕たっぷりのレースぶりに計り知れないスケールの大きさを感じる。外枠16番は気になるが,G1級の破壊力を備えていることは明らかだ。
○…アルーリングボイスは2戦目から4連勝。小倉2歳SとファンタジーSを制した唯一の重賞馬ウイナーで,間違いなく2歳女王の最短距離にいる。ただ,ひとつ気になるのが目に見えない疲労。夏からの好調期間が長く,使い詰めできたローテーションも心配だ。1番人気に推されるのは確実で,馬券的な妙味のない今回は対抗とした。
▲…コイウタはここまですべて牡馬との混合戦。それでも2勝を挙げている。前走G3の京王杯2歳Sでもハナ+ハナ差の3着に食い込み,牡馬顔負けの勝負根性を見せた。今回ははじめての牝馬限定戦。大きく弾けても驚けない。
△…アサヒライジングは目下2連勝中。さらに前々走のマイル1分34秒8の勝ちタイムは,ここでは一番の持ちタイム。開幕週の高速馬場は望むとこで,単騎逃げで持ち込めればアッといわせるシーンを演出できる。
△…アイスドールは赤松賞で中団待機からレース最速の上がり34秒1で鮮やかに差し切った。2連勝中の上がり馬で,追ってからの反応の鋭さでは群を抜いている。使うごとに減り続ける馬体は気になるが,前の止まる流れになれば上位争いに浮上する。
△…エイシンアモーレは逃げて,新馬戦,オープン特別を連勝した。前走の小倉2歳Sでは初めての控える競馬に切り替えて5着と敗れたが,勝ち馬とは2馬身差だった。3カ月ぶりでもここで十分通用する素質馬。連下には押さえておきたい。