クラシック第1弾は3歳牝馬による“桜の女王”決定戦。桜満開の仁川のターフで18頭の乙女たちが,スピードと強さを競う。
今年は重賞ウイナー8頭が参戦。大混戦の「桜花賞」を制するのはどの馬か。早速,レース傾向を見て行きたい。
過去10年,1??3番人気は3,3,2連対。上位人気の信頼度は低く,代わりに6番人気以下から8頭が連に絡んでいる。
馬連で2度万馬券が飛び出し,8010円,9210円の高配当も出る難解なG1レースとなっている。
連対馬の前走は,重賞16頭,オープン3頭,500万下1頭。そこでの成績は1??4着18頭と8,10着。前哨戦で掲示板を外した馬は苦戦している。路線別はチューリップ賞(G3)組9連対(2,3,4,4,10,1,2,4,2着),フィリーズレビュー(G2)組4連対(1,4,1,4着),アネモネS組3連対(2,3,8着)。3組で連対の80%を占めているが,前哨戦で1着となった馬は3頭と少ない。
地方から転きゅうしたアローキャリーを除くと,優勝馬9頭はすべてデビュー戦で勝利を上げている。キャリアは3??8戦。2戦以内や9戦以上の馬は減点対象にしたい。勝利数(アローキャリーを除く)は,1勝馬4頭,2勝馬7頭,3勝馬5頭,4勝上馬3頭。1勝馬は4連対しているが,優勝したのは95年のワンダーパヒューム1頭。馬単,3連単を狙うなら2勝以上馬を軸に据えたい。
関東馬は1勝,2着2回。関西馬は9勝,2着8回。連対数,連対率で関西馬が関東馬を圧倒している。
◎…クイーンC(G3)を完勝したライラプスで勝負する。クイーンCの優勝馬は過去10年で9頭出走して,連に絡んだのはイブキパーシヴ1頭(2着)。ただ,ウメノファイバー(6着),チューニー(12着),ダイワエルシエーロ(7着)は,オークスで1着,2着,1着した。マイル戦では距離適性の差で力を出し切れなかったが,次走でG1級の能力を証明した。前走ライラプスは直線で前が開くまでじっと我慢,残り200Mで進路ができるとあっという間に抜け出し,後続に1馬身半差。母フサイチエアデール(99年の桜花賞2着馬)譲りの強烈な瞬発力を見せつけた。マイルはベストの距離。母の雪辱を果たして“桜の女王”の座を射止める。
○…相手はエアメサイア。フィリーズレビューでラインクラフトの決め手に屈したが,頭+クビ差の3着まで末脚を伸ばした。初の短距離でも直線の追い比べで見せた勝負強さは高く評価できる。マイルは2勝,2着1回。叩いた上積みも魅力。
▲…シーザリオは3戦3勝。いずれもが完勝だったが,中でも前走は好スタートで2番手をキープすると道中もきっちり折り合い,直線抜け出して後続を2馬身半突き放した。G1でも見劣りしない資質を秘めていることは間違いない。
△…ラインクラフトは4戦3勝。勝ち星はすべて1400M。1600Mの阪神JF(G1)で3着に敗れたが,道中外々を回りながら頭,鼻差の惜敗だった。2歳時とはいえコースを経験しているのは大きな強み。1ハロンの距離延長を克服できれば首位争いは間違いない。
△…エイシンテンダーも3戦無敗でG1取りを目指す。3勝目がこのレースと最も相性のいいチューリップ賞。デビュー戦を好位2番手から押し切り,2戦目が4コーナー最後方からの差し切り。前走で再び好位から抜け出す競馬で快勝した。勝ち時計は平凡でも相手なりに走る勝負根性を備えている。
△…アンブロワーズは夏の函館で連勝し,ひと息入れた阪神JFで頭差2着と健闘した。今年始動のアネモネSは3着に敗れたが,勝負どころでいったん後退しながら直線盛り返す勝負強さを見せた。関東期待の星。長距離輸送は楽ではないが,一度使われた変わり身が期待できる。