春のG1シリーズの開幕を告げる短距離王決定戦。96年にG1に昇格し,芝1200Mになった過去9年のデータを対象にレース傾向を見てみたい。
1??3番人気は3,4,5連対とまずまずの成績を挙げている。一方,6番人気以下からも4頭が連対している。馬連は00年に万馬券が出て,3000??5000円台も3回。極端な人気薄馬の台頭はないが,中波乱の決着が続いている。
96??99年は5月開催,00年からは日程が3月に繰り上げて行われている。99年までの4年間は,シルクロードS(G3)組が6連対で主力だったが,最近5年は6連対の阪急杯(G3)組が他路線を圧倒している。
4??6歳上馬が48,50,54頭出走して4,10,4連対。5歳馬が他世代を大きく引き離している。牡馬113頭と牝馬39頭で争い,14対4。連対数,率で牡馬が牝馬を上回っている。
関東馬は56頭出走して7連対(連対率12.5%),関西馬が93頭で11連対(同11.8%)。連対数に差はあるが,連対率では大きな開きはなく,関東VS関西はほぼ互角と見ていい。なお,地方馬1頭,外国馬2頭が参戦したが,ここまで連対馬は出ていない。
1??5番枠は5勝,2着馬2頭の7連対。一方,14番枠よりも外は2着馬2頭だけ。平たん小回りコースのためか,外枠不利のデータが出ている。また,勝ち数は3月の開催に限ると,優勝馬5頭はすべて5勝以上をマークし,2・3着馬もそれぞれ4頭までが5勝以上を挙げていた。4勝以下の馬は減点材料になる。
◎…前走カルストンライトオは大外16番枠から一気にハナに立つと,道中もマイペースの逃げ。直線でもスピードが鈍らずそのまま押し切るかに見えたが,ゴール寸前でキーンランドスワンにアタマ差交わされ2着に敗退。香港以来の久々の実戦,負担重量59キロと条件は厳しかったが,G1馬の底力で連を確保した。平たん小回りコース。スタートさえ決めれば春・秋スプリント王が誕生する。
○…プレシャスカフェは4カ月の休養を挟んで芝1200Mを4連勝中。ここ2戦のCBC賞(G2),シルクロードSは接戦だったが,着差以上の強さで重賞を連覇した。6歳馬でもまだキャリア11戦と馬体は若い。本格化した素質馬の勢いは怖い。
▲…メイショウボーラーはダートに転じて素質が一気に開花した。昨年の暮れにCBC賞でプレシャスカフェに0秒1差4着に敗れたが,目下重賞3連勝中。今回は逃げ馬カルストンライトオにハナを奪われそうだが,好位に控える競馬もできる。本格化した今なら互角に渡り合えそうだ。
△…キーンランドスワンも軽視できない。3月開催となった00年以降,このレースでは阪急杯組が2勝,2着4回,5年連続で連対を果たしている。前走でその阪急杯を制覇したキーンランドは要警戒。昨年の3着馬で中京コースの実績もある。
△…ゴールデンキャストは前走シルクロードSで直線の伸びを欠いて0秒5差の6着。夏場から長いこと使ってきた疲れが出たようで,この中間は短期放牧に出されリフレッシュされた。このメンバーでは格下イメージがぬぐえないが,どんなレースでも大崩れしない堅実さを備えている。
△…ウインクリューガーは7カ月ぶりの阪急杯でアタマ+クビ差3着に健闘した。いつも前で競馬をしていた馬が後方から追い込むレースができたのは大きな収穫。ここも6ハロン戦で先行争いが激しくなるのは必至。控える競馬で直線の勝負にかければ出番は十分ある。