01年に「朝日杯3歳S」から「朝日杯フューチュリティ(将来性のある)S」と改称された。過去10年のレースで傾向を見てみたい。
1番人気は1,15,1,1,2,2,1,2,2,3着。勝負どころで大きな不利を受けた96年のクリスザブレイヴと昨年のペールギュントが連を外したが,連対率は80%。馬単,3連単の軸には最適か。馬連は590??2000円7回,4000??9000円3回。万馬券はなく,大穴狙いは得策ではない。
連対馬の前走は重賞12頭,オープン特別3頭,500万下2頭,新馬・未勝利2頭,地方競馬1頭。そこでの成績は昨年5着から連対した昨年のマイネルレコルトを除くと,19頭は前走でも連に絡んでいた。
路線別は京王杯2歳S(京成杯3歳Sを含む)組が4連対で,デイリー杯2歳S組と東京スポーツ杯2歳S組がそれぞれ3連対となっている。
出走間隔は中1??3週馬が1,8,6連対し,1カ月半??2カ月半馬が5連対。出走間隔を開けた馬の活躍が目立ち,ここ3年も2カ月以上の休養馬が毎年連に絡んでいる。
連対馬の決め手は,逃げ馬3頭,先行馬11頭,差し馬6頭,追い込み馬0頭。追い込み馬は苦戦している。なお,優勝馬の10頭中8頭は4コーナーで5番手以内の位置取り。勝負どころで先団に取り付くスピードが要求される。
中山のマイル戦はスタートして約240Mで2コーナーのカーブを迎えため,内枠が有利といわれている。実際に,1??8番枠と9??16番枠で比較してみると,優勝馬は8対2で,2着馬が4対6。データでは「内枠有利」となっている。
◎…アドマイヤムーンはハイレベルの札幌2歳Sを3戦3勝で制覇した世代トップ馬。ディープエアーはそこで2着に敗れているが,直線で馬群をさばきながら伸びた末脚は際立っていた。父タイキシャトルは近年屈指の名マイラー。1600M戦なら好勝負は間違いない。
○…ジャリスコライトは新馬,いちょうSを連勝した。勝ちタイムは平凡だが,上がりは33秒8,33秒3と2歳馬離れした強烈な末脚を発揮している。とくに前走は直線で2度も進路がふさがる不利を立て直しての勝利だった。兄アグネスデジタル(半弟)に劣らない大物感がある。逆転候補の一番手に推したい。
▲…ショウナンタキオンもデビュー戦と新潟2歳Sで,後続に2馬身と5馬身差で圧勝した。いずれも直線一気の勝利で能力は間違いなくG1級だ。ただ,ここは初の右回りで,3カ月ぶりの実戦。さらに鞍上・田中勝騎手が現在G1競走120連敗中と気になる材料が多く,3番手の評価にした。
△1…フサイチリシャールは2戦目から3連勝。いずれも好発進からハナを奪うと,後続を寄せ付けず楽々と逃げ切った。今回も単騎逃げの見込めるメンバー構成で軽視できないが,前走東京スポーツ杯2歳Sのレコード勝ちの反動が気になる今回は連下まで。
△2…デンシャミチは京王杯2歳Sで,外から強襲してきた2頭の追撃をかわして初重賞をもぎ取った。着差はハナ,ハナの接戦だったが,レースセンスの良さと勝負強さでしのぎ切った。中山の1600Mをすでに経験済みで,混戦になれば上位争いに浮上する。
△3…前走アポロノサトリはスローの競馬とはいえ,上がり33秒7の末脚で差し切った。3戦して2勝,2着1回のパーフェクト連対。デビュー戦は逃げ切り,2戦目が好位から,3戦目が追い込みと自在な脚質が強み。上位勢とは差がありそうだが,2着争いなら出番はある。