秋のG1シリーズ第1弾はスプリント王決定戦。今年は香港から2頭の大物が参戦して盛り上げる。
サイレントウィットネスはデビューから17連勝した香港のスーパーホース。1ハロン距離の長かった6月の安田記念でも見せ場たっぷりに3着と善戦した。もう1頭のケープオブグッドホープは昨年のこのレースの3着馬で,3連単10万馬券の片棒をかついだ。春先まではサイレントウィットネスより格下と見られていたが,前走で英国のゴールデンジュビリーS(G1)をレコード勝ちして評価が急上昇した。中山コースも経験済みで,去年以上の好走に期待がかかる。
一方,迎え撃つ日本馬は昨年の覇者カルストンライトオ,春秋スプリント連覇を目指すアドマイヤマックス,一昨年の優勝馬でG1を3勝したデュランダルなど,スピード自慢が顔をそろえた。
この時期に開催された過去5回,連対馬は16??1,4??3,1??3,5??1,5??2番人気の組み合わせで決着した。1番人気は3連対とまずまずの成績だが,2000年に最低(16番)人気のダイタクヤマトが1着になり,この2年も5番人気馬が優勝。馬連は2万5700円,3000円,590円,940円,2400円。伏兵馬の台頭を警戒したい。
連対馬の前走はG1が4頭とG3が6頭。全馬重賞をステップに参戦し,そこでの成績はG1組は1,14,1,2着。G3組が7,1,1,3,2,1着だった。路線別はセントウルS組が4連対,安田記念組とアイビスサマーダッシュ組がそれぞれ2連対となっている。
注目の外国馬は,94年に門戸が開放されてから延べ12頭が出走し,3着2回,7着以下10回の成績。まだ,連に絡んだ馬は1頭もいない。
年齢別は3??7歳上馬が9,17,22,16,6頭出走して0,2,5,3,0連対。連対数,率で5歳馬が世代をリードしている。
◎…前走のアイビスサマーダッシュでカルストンライトオは4着に敗れた。休養明けで12キロ減の体重とハンデ59キロが応えたようだ。昨年,得意の道悪だったとはいえ,2着のデュランダルをこのレースで4馬身ちぎって圧勝した。ここまで7歳馬の連対例はないが,出走頭数そのものも5頭と少なく気にする材料ではない。高齢馬といっても春の高松宮記念で抜群のスタートを決めてハナを奪った快速馬。スピードの衰えは全くない。
○…相手は春秋の短距離G1連馬を狙うアドマイヤマックス。春に高松宮記念を制覇して悲願のビックタイトルを手中にしたが,その後4,12着と不本意なレースが続いた。左回りの実績が目立ったが,一昨年,このレースでデュランダルの0秒2差3着に健闘した。末脚勝負になれば首位争いになるはずだ。
▲…単穴にサイレントウィットネスを指名する。安田記念は1600Mで距離を不安視する向きもあったが,先行してクビ,頭差の3着。短距離戦(1400M以下)で17連勝を飾った香港最強のスプリンターの底力を見せた。2度目の来日,適距離の1200Mでスピードで押し切るシーンも十分考えられる。
△…ケープオブグッドホープは先に述べたように前走G1を快勝してひと皮向けた。昨年はどしゃ降りの雨の中で追い込んだが,良馬場なら末の切れがさらに威力を増す。中山コースを熟知しているのも心強く,目の離せない存在だ。
△…短距離王者・デュランダルの取捨が難しい。ツメの不安はすっかりなくなったが,今回は10カ月ぶりの実戦となる。調教を見る限り末脚の切れは鈍っていないが,ここまで10カ月の休養明けで連対した馬は1頭もいない。G1を3勝の実績馬だが,過去データからは2着争いまでと見たい。
△…夏の英国遠征でキーランドスワンは,芝1200M(G1)を2戦して,10,12着。2けた着順の大敗をしているが,59キロと59.5キロの斤量を背負っていた。春の高松宮記念ではカルストンライトオと2馬身半差の2着。人気薄だが波乱を演じるスピードは秘めている。