東京競馬のフィナーレを飾る国際招待レースのジャパンC。今年は昨年の凱旋門賞馬バゴなど強豪外国馬6頭が参戦する。一方,日本馬は昨年の覇者ゼンノロブロイを大将格に12頭が迎え撃つ。過去10年のデータから傾向を分析してみたい。
連対馬は6??2,4??7,3??2,3??2,2??12,1??5,2??1,9??11,4??5,1??2番人気の組み合わせで決まった。1番人気の2勝,2着1回は物足りず,代わりに6番人気以下から5頭が連に絡んでいる。伏兵馬の健闘で,99,02年に馬連で万馬券が出ているが,3けた配当も3回ある。
81年の第1回から3年連続で外国馬が1??4着を独占して,世界の競馬の強さを見せつけた。日本馬が初めて勝利を挙げたのは第4回のカツラギエース(4歳牡馬)だった。ここまで国別の勝利数は日本が11勝でトップ。米国4勝,英国3勝で続いている。
過去10年では,外国馬が67頭で6連対,日本馬は86頭で14連対。創設当初は外国馬が圧倒的な強さを見せていたが,最近はレベルアップした日本馬の活躍が目立っている。
ステップを日本馬に限れば全馬G2戦以上で,そこでの着順はすべて4着以内。路線別は天皇賞(秋)6連対,菊花賞3連対,京都大賞典2連対。なお,外国馬のステップはまちまちで前走着順も不問となっている。
3??7歳上馬が39,51,35,19,9頭出走して5,8,5,2,0連対。4歳馬が連対頭数,率ともトップで,5歳,3歳馬の順。性別は牡馬129頭と牝馬24頭で争い16対4。牝馬が連対率で牡馬を上回っているが,ここ6年間は連対していない。
◎…ハーツクライは天皇賞(秋)で上がり32秒8の豪脚で追い込んだが,超スローの流れで前が止まらず6着に敗れた。掲示板を外したが4カ月ぶりで勝ち馬と2馬身差なら悲観する内容ではない。東京コースはダービー(2400M)で2着したベストの条件。世界の舞台に挑むが,末脚勝負になれば一気の差し切りが期待できる。
○…相手は史上初のジャパンC連覇を目指すゼンノロブロイ。天皇賞(秋)はゴール寸前でヘヴンリーロマンスに足元をすくわれたとはいえ,十分強さを見せつけた。2400Mは4戦して2勝,2着2回。鞍上に名手デザーモを迎えたのも魅力だ。
▲…アドマイヤジャパンは菊花賞2着。横山典騎手がベストの騎乗でディープインパクトの3冠達成を最後の最後まで脅かした。古馬と初対戦となるが,3歳世代トップレベルのパワーを備えていることは間違いなく,55キロの斤量なら大駆けがあってもおかしくない。
△…外国馬のエース格はバゴ。過去7年でこのレースを制した外国馬は1頭とデータからは推奨しづらいものの,昨年の凱旋門賞を勝って,今年3着の勲章は侮れない。さらに来年から日本で種牡馬入りすることも決まっているだけに,全力投球のここは軽視できない。
△…ウィジャボードは04年に英国のオークスと愛国オークスなどを勝って欧州年度代表馬に選ばれた。今年前半は不調だったが,秋に入ってG3で1着,続くG1でも2着とスランプを脱した。牝馬だけに長距離輸送の影響が心配になるが,上位争いできる力量を秘めている。
△…リンカーンも天皇賞(秋)で上がり32秒台の末脚を見せながら15着に敗れた。休養明けで京都大賞典を制覇した目に見えない疲れがあったか。3歳時は菊花賞2着,続く有馬記念でも2着に健闘した。G1級の破壊力を備えていることは確実で,連下には是非押さえておきたい。