今年は香港から3頭の強豪が参戦して盛り上げる。中でもサイレントウィットネスはデビューから17連勝した香港のスーパーホース。その連勝記録を前走で止めたブリッシュラックも来日。同馬が1着になると,優勝賞金+100万米ドル(約1億800万円)のボーナスを獲得する。
一方,日本馬は高松宮記念(G1)を制したアドマイヤマックス,NHKマイルC(G1)勝ちのあるテレグノシス,マイラーズC(G2)を快勝したローエングリンなど,重賞ウイナーが迎え撃つ。
過去10年,1??3番人気は5,1,1連対と振るわない。代わりに6番人気以下から8頭が連対している。馬連は01年に12万馬券が飛び出し,00,03年も万馬券で決着した。オークス,ダービーと3けた配当で堅く収まったが,ここは波乱ムードが漂う。
ステップは京王杯スプリングC(G2)組が11連対と優秀。一昨年こそ6着に敗れて連を外したが,9回は連対している。この組の前走成績は5,3,2,1,1,2,1,6,3,4,2着。大敗馬の連対は見られない。本番と同距離で注目されるマイラーズC組は3着止まり。ここまでは苦戦している。
外国馬は20頭参戦して2勝,2着2回。連対率20.0%はなかなかなもの。これを香港馬に限ると,8頭が出走して1,2着各1頭と9着以下6頭(連対率25.0%)。日本馬は153頭で18連対(連対率11.8%)となっている。
外国馬4頭を除くと,G1初挑戦はブレイクタイム1頭。また,連対馬16頭中15頭は重賞ウイナー。例外はブレイクタイムのみ。重賞勝利とG1経験は連対への絶対条件としたい。
年齢別は3??7歳上馬が4,66,59,30,16頭出走して0,7,7,4,2連対。4,5歳馬が連対数で世代をリードしているが,率で見るとほぼ互角となっている。
◎…テレグノシスが巻き返す。京王杯スプリングCはレース直前に大雨(重は苦手)が降り,直線でも前をカットされる不利。それでも馬群を縫いながらレース最速の上がりで3着まで追い込んだ。一昨年は7着,昨年が2着に敗れているが,府中はNHKマイルCを制覇している舞台。3度目の挑戦でマイルの頂点を射止める。
○…相手はアサクサデンエン。京王杯スプリングCは後続を2馬身半突き放して圧勝した。1400Mを正攻法に攻めて勝利した価値は高い。前々走のマイラーズCも,直線大外から強襲して3着。展開不問は心強い。前走レコードVの反動が出なければV争いは必至。
▲…ローエングリンはマイラーズCで2番手から追走。4コーナーで早めに先頭に踊り出て,しぶとく粘って復活Vを果たした。安田記念は4歳時に3着,5歳の昨年5着の成績。今週からC→Aコースに戻り,仮策が取り除かれた内から6Mの芝は絶好のコンディション。グリーンベルトをまっしぐら,スピードで押し切るシーンは十分ある。
△…香港馬のブリッシュラック。前走チャンピオンズマイルでサイレントウィットネスをハナ差破った。同きゅう舎のウィットネスの存在で影は薄かったが,香港のマイルG1・2勝の実力馬。ボーナス100万ドルのかかる大一番だけに全力投球を疑う余地はなく,追って味のあるのも府中向きだ。
△…サイレントウィットネスは香港スプリント3冠を2度達成して,17連勝の金字塔を建てた怪物。初距離のマイルでハナだけ差し込まれたが,差し返す勝負強さを見せた。体型からはスプリンターのイメージだが,府中での追い切り(2日)はスピードとパワー満点。馬場が渋るようだと1600Mでも侮れない。
△…ダイワメジャーは昨秋,オールカマー(G2)9着,天皇賞(G1)で17着と惨敗したが,5カ月ぶりの前走ダービー卿チャレンジT(G3)を快勝。クラシックホースの底力を見せつけた。マイルは2戦して,1勝,2着1回。ノドの手術が成功した皐月賞馬の復活があっても驚けない。