02年に誕生したサラブレッドは8966頭。し烈なサバイバル戦を勝ち抜いた18頭が,一生一度の晴れ舞台に立つ。新装オープンした新スタンドの前で,どんなドラマが演じられるのか。過去10年のレースで傾向を探ってみたい。
1??3番人気は9,2,5連対。連対馬の8割を3番人気までが占め,伏兵馬の出番は少ない。98年に馬連万馬券が出て荒れたが,6回は3けた配当で堅く収まっている。
ステップは11連対の皐月賞(G1)組が断然トップ。次いでNHKマイルC(G1)組,青葉賞(G2)組,京都新聞杯(G2)組が2連対で並んでいる。前走成績は皐月賞組なら1??6着で,NHKマイルC組は3,1着。大敗馬の巻き返しはない。なお,G1以外からの参戦馬7頭はすべて前走1着だった。
連対馬の17頭はキャリア4??9戦の範囲から出ている。該当しない3頭は2,10,11戦。勝利数は,1??4勝以上馬がそれぞれ11,69,80,18頭出走して,0,3,12,5連対。1勝馬の連対はなく,2勝馬も連対率4.3%では信頼度はひと息。連軸には3勝以上馬を据えることをお薦めしたい。
重賞実績では連対馬20頭中19頭が重賞ウイナー。例外は新馬,オープン特別(すみれS)を連勝して3歳の頂点に立ったフサイチコンコルド(96年)だけ。
関東馬は62頭出走して1勝,2着3回。関西馬は115頭で9勝,2着7回。関西馬が関東馬を圧倒している。
◎…4戦無敗のディープインパクト1強ムード。2冠奪取は当たり前?で,早くも3冠馬の声すら聞こえてくる。確かに実力は一番だが,「競馬に絶対がない」ことも歴史が証明している。
そこで,打倒“空飛ぶ衝撃波”にマイネルレコルトで勝負する。デビューから3連勝を飾り,5戦目で朝日杯FS(G1)をレコードで圧勝した。弥生賞(G2)3着,皐月賞4着で,勝てないまでも2歳チャンピオンの名に恥じないレースを続けている。好位につけられるスピードがあり,世代トップのレースセンスの良さを備えている。前走は馬体重10キロ増。ひとたたきで状態もピーク。3歳最高峰の大舞台で反撃に転じる。
○…相手は当然ディープインパクト。皐月賞は発馬直後大きくつまずき,落馬寸前の不利があった。3コーナー手前から進出し,4コーナーで気を抜いて初めてムチが入ったが,終わってみれば2着シックスセンスに2馬身半差。まずは1冠を獲得した。左回りコースは今回が初めて。過去10年で450キロ以下の連対馬なしというデータもあるが,史上6頭目の無敗の2冠馬誕生の可能性は高い。
▲…単穴に関東馬ブレーヴハートを推す。青葉賞はクビ,クビ差の3着。前走は4コーナーで前が壁になり直線で外に出すのに時間がかったが,末脚は際立っていた。同距離,同舞台を大一番の前に経験したことは大きな強み。兄ローエングリンは皐月賞,ダービーで抽選除外となったが,弟は地力で出走をもぎ取った。血統の裏付けは十分。鞍上デザーモも強力な助っ人となる。
△…同じ青葉賞でニシノドコマデモは2着に健闘した。同馬も勝負どころでゴチャついて,直線で進路を確保するのに苦労したが,34秒前半の上がりで外から追い込んだ。エンジンのかかりが遅いだけに直線の長い東京コースは有利だ。
△…アドマイヤジャパンは弥生賞でディープインパクトに首差に迫ったが,皐月賞でその差が2馬身半+1馬身差に広がり完敗した。それでも大崩れせずに3着に踏み留まったのは力のある証拠。東京の2400Mは直線一気を決めることが難しいコース。スタートして好位に付けられる脚質は大きな武器になる。
△…京都新聞杯でインティライミはハナ差の接戦を制してダービーに滑り込んだ。着差はわずかだったが,発馬で後手を踏み,勝負どころで外を回る不利。道中かなり脚を使ったが,測ったようにゴール前差し切った。500万下とはいえ2500M戦で2着を5馬馬もちぎった。スタミナ勝負の混戦になれば連下に食い込む余地はありそうだ。