今年区切りの10回目を迎える。当初はクラシックに出走できない外国産馬たちの“憂さ晴らし”の感の強いG1だったが,01年にダービーに出走枠(2頭,後に4頭に拡大)が与えられるとレースの性格が一変。創設から1,2着を独占していた外国産馬が,ここ3年では2着1回。内国産馬が巻き返し,純粋に距離適性と絶対能力を競う真の「3歳マイル王決定戦」となった。
昨年はキングカメハメハの参戦で盛り上がったが,今年は「桜の女王はオークスへ」の常識を破って,史上初めて桜花賞馬のラインクラフトが出走する。
過去9年,1??3番人気は4,4,0連対。3番人気の不振は気になるが,連対馬18頭中16頭は6番人気以内で占めている。馬連は3けた配当1回,1000円台4回,2000??6000円台3回と1万7520円。03年に万馬券が飛び出したが,全体としては平穏傾向を見せている。
連対馬の前走は16頭が重賞で,オープン特別と500万下が各1頭。ステップはニュージーランドT(G2)組8連対,毎日杯(G3)組4連対,スプリングS組2連対となっている。
1勝馬の連対はなく,2??4勝以上馬が7,7,4連対。2勝以上ならOKだが,優勝馬に限ると7頭までが3勝馬以上を上げていた。キャリアは2戦が最少で,最多は9戦。ただ,連対馬はいずれも1頭で,15頭は4??7戦だった。連対の目途はこの範囲と見たい。
牡馬147頭と牝馬14頭が出走し,それぞれ17,1連対。牡馬が断然有利だが,牝馬で連対したシーキングザパールは重賞4勝馬。今年挑戦する桜花賞馬ラインクラフトも重賞3勝馬,軽視はできない。
関東馬VS関西馬は78頭と82頭(地方馬1頭)で争い,10対8。関東馬が連対頭数,率で関西馬をリードしている。
◎…マイル重賞2勝のペールギュントが反撃する。皐月賞(G1)は道中折り合い,直線で一瞬抜け出す脚を見せたが,坂上で止まり6着。2000Mはやや長かったようだ。マイルへの距離短縮は大きな魅力。朝日杯FS(G1)でも直線で前が壁にならなければ突き抜ける勢いだった。
○…目下,重賞2連勝中のラインクラフトが,オークスを袖にして“変則2冠”を狙う。5戦4勝。敗れたのはG1の阪神JFの3着だけ。初の東京コース,初の牡馬相手は楽ではないが,シーキングパールに続く牝馬Vのチャンスは十分にある。
▲…前走マイネルハーティーはニュージーランドTを快勝した。後方で脚をためて,勝負どころから進出して,直線大外に出して一気の差し切りを決めた。気性の難しいところや追ってモタれるなどまだ未完成なところもあるが,上位2頭をまとめて破れる末脚を秘めている。
△…アイルラヴァゲインは98年のNHKマイルCの覇者,エルコンドルパサーの仔。今年初戦のクリスタルC(G3)は出遅れ,道中もゴチャつくなどの不利の中で3着を確保。続くマーガレットSで後続を3馬身ちぎって圧勝。重賞を逃したうっ憤を晴らした。府中のマイルは初挑戦となるが,軽視はできない。
△…セイウンニムカウは前走スタート直後に不利を受け,リズムに乗れず13着に凡退。朝日杯FS5着では直線内を突いてマイネルハーティーにハナ差し,続くアーリントンCでも2着を確保した。マイルの勝利はないが,強敵相手に重賞で善戦。連下には是非抑えておきたい。
△…インプレッションはニュージーランドTで0秒2差3着。前走は勝ち馬の決め手に屈したが,どんな流れになってもラストは必ず追い込んでいる。1600Mは5戦して,2勝,3着2回,5着1回。前の止まる展開になれば一気に浮上か。