函館の新馬戦をケタ違いの末脚で快勝。2戦目のオープン戦・クローバー賞では,出遅れて大外を回る不利がありながらも,逃げるニシノアンサーを終いキッチリと捕らえてデビュー2連勝を飾った。発馬に難がある当馬にとって,忙しいマイル以下のレースよりも,実績のある1800M戦の方が適性は高いだろう。器用なタイプではないので本来は小回りコース向きとはいえないが,前2走で披露した突出した素質や,近親に女傑ヒシアマゾンを持つ血統背景からも,無傷の重賞制覇を期待できる逸材だ。

芦毛の馬体から見せる雄大なストライドは,まさに父・クロフネを思わせる。その親譲りのスケールはレースに行っても変わることはなく,福島のデビュー戦では,スタートでつまずく不利にも慌てずに直線は外を回って豪快に差し切った。今回は3カ月ぶりの実戦となるも,7月に新馬戦を勝ち上がっているように仕上がりは早いクチだし,今週の追い切りでも好調な動きを披露。シーザリオ,カネヒキリなどで絶好調の角居厩舎に所属する期待馬だけに,いきなりでも侮れない存在だ。

函館の新馬戦1800Mを4馬身差の圧勝。新馬戦としては走破タイムも特筆モノであり,好位で脚を溜め,勝負どころで内を突いたシーンには非凡なセンスが見て取れた。2カ月の休養明けとなる今回,帰厩後に目立った時計を出していない点は確かに懸念材料だが,まだ未知の部分が多い2歳馬のことだし,鞍上が福永騎手に乗り変わったあたりに陣営の強い意気込みが感じられる。小回りを苦にしない器用さは強みであり,仮に天候が崩れても重馬場はこなせそうな血統だけに,あまり人気のなさそうな今回こそ狙い時か。

芝1800メートルで行われた過去8回,連対馬は1??9,11??12,8??12,5??4,1??7,2??3,10??8,5??1番人気の組み合わせで決まった。上位人気馬は不調で,7番人気以下から8頭が連に絡んでいる。馬連は10万馬券1回,2万馬券2回と荒れ,一筋縄では収まらないレースとなっている。
連対馬の前走は重賞組1頭,オープン組4頭,500万下組1頭,新馬・未勝利組10頭。1勝馬でも十分連対圏内といえる。路線別はコスモス賞組とクローバー賞組からそれぞれ2頭が連対している。距離実績では,連対16頭中10頭が芝1500メートル以上で連対した経験があり,さらに優勝馬に限って見てみると,8頭中6頭がこの条件をクリアしている。
牡馬は81頭出走して13連対,牝馬が23頭で3連対。牡馬が連対数,率で牝馬を上回っている。所属別は関東馬9連対(出走41頭),関西馬5連対(同56頭),地方馬2連対(同7頭)。関西馬は不振で,地方馬が連対率でトップに立っている。
ナイトレセプションは前走で未勝利を勝ち上がった。道中外を回るロスがありながら直線けた違いの伸び。1800メートルに距離が延びればさらに切れ味が増す。