96年に秋華賞が新設されたのに伴い,古馬に門戸が開放されて牝馬ナンバーワン決定戦になった。過去8回のデータでレース傾向を探って見ると…。
連対馬は1??3番人気の5,5,3連対と4,5,7番人気の各1連対。馬連は99年に5270円と荒れたが,3けた配当4回を含めて2000円台以内6回。伏兵馬の出番は少ない。
連対馬16頭の前走はすべて重賞で,3着までを見ても24頭全馬が重賞から臨戦している。オープン特別や条件をステップにした馬は苦戦中。路線別(着順)は,府中牝馬S(G3)組が6連対(2,4,1,5,3,1着),秋華賞(G1)組5連対(5,2,1,2,1着),京都大賞典(G2)組2連対(4,2着),毎日王冠(G2)組(6着)と札幌記念(G2)組(7着)が1連対。府中牝馬S組と秋華賞組を中心視したい。
連対14頭までにG1経験があり,うち13頭は桜花賞,オークス,秋華賞のいずれかで連対していた。これに該当しない3頭のうち2頭はその年に重賞で2勝を挙げて,残る1頭も前年のエリザベス女王杯3着の実績があった。
年齢別は3??6歳上馬が46,39,32,6頭出走して5,7,4,0連対。4歳馬が世代をリードしている。ただ,ここ3年は3歳馬が2着,1着,(1,2)着の4連対。00年に秋華賞からエリザベス女王杯への出走間隔が,中2週から中3週に開いたことでローテーションにゆとりの出た3歳馬が好成績を挙げている。
勝利数は2勝馬1頭,3勝馬3頭,4勝以上12頭。芝で3勝を挙げていればしていれば合格としたい。
夏にひと皮向けた3歳レクレドールで勝負する。休養明けで札幌の500万下を勝ち,続くローズS(G2)で直線一気を決めてスイープトウショウを3着に退けた。前走秋華賞6着は外からスイープトウショウに一気にこられ,馬がひるんで伸びを欠いた。淀の外回りは末脚を生かせる絶好の舞台。気分良く走れば重賞初Vの好機だ。
相手はスイープトウショウ。2歳時から世代トップを走り,前走秋華賞で悲願のG1を達成した。後方待機の競馬で,直線勝負にかけて勝ち進んできた。気難しく嫌がるゲート入りも,今週の発走調教再審査で見事合格。脚質からは距離延長も歓迎で,京都コースも4戦4勝と負け知らず。G1連勝も十分ある。
はまればエリモピクシーの一発が決まる。97年にダンスパートナー以下をまとめて差し切ったエリモシックの全妹。姉譲りの鬼脚で,前残りの前走府中牝馬Sで直線大外から上がり33秒3で0秒2差4着まで追い上げた。福島牝馬S(G3)から4戦連続3着(0秒1??0秒3差)で,前走も0秒2差。展開ひとつでビッグタイトルに手が届く。
アドマイヤグルーヴは古馬相手の天皇賞(秋・G1)で3着と健闘した。今年は牡馬相手で不振が続き,勝ち星を挙げたのは7月のマーメイドS(G3)だけ。ただ,牝馬限定の重賞では(3・1・1・1)と好成績を挙げている。前走強力な牡馬相手に好走し,中1週の強行軍が気になり抑えの評価に留めたが,態勢逆転できる能力を十分秘めている。
昨年の牝馬3冠馬スティルインラブは府中牝馬Sで3着。春に伸び悩んでいたが,3カ月の充電で素質馬の片鱗を見せた。昨年のエリザベス女王杯でアドマイヤグルーヴとハナ差2着の接戦を演じた。復調さえしていればここでも当然首位争いになる。
穴を開ければ関東馬のエルノヴァ。クイーンS(G3)で後方から直線鋭く2着に追い込んだ。前走府中牝馬Sは位置取りが後ろすぎて5着と敗れたが,先行有利の展開で勝ち馬と0秒3差。京都外回りコース,距離延長も望むところで,鞍上ペリエも魅力だ。